南島原市は、長崎県の南部、島原半島の南東部に位置し、北部は島原市、西部は雲仙市と接し、有明海を挟み熊本県天草地域に面しています。市の面積は170.13㎢、2021年(令和3年)6月の調査結果によると、市の人口は43,830人、世帯数は18,756世帯、人口密度は258人/㎢です。南島原市は日本最初の国立公園である雲仙天草国立公園及び島原半島県立公園に指定されており風光明媚な地域です。雲仙天草国立公園の観光名所「鮎帰りの滝」は、画家の釧雲泉があまりの絶景に描く自信を失って筆を捨てたという逸話が残るほどの美しい滝で、滝つぼの上方は一枚岩の上を川の水が流れ、夏には多くの人が涼を求めて訪れます。滝の近くの茶屋では、南島原市の特産品「島原手延そうめん」を使った「そうめん流し」や川魚料理を楽しむことができます。 南島原市で主に生産されている「島原手延そうめん」は、全国の手延そうめんの約3割を製造している、そうめんのトップブランドです。南島原はそうめんのまちとして、市内で300もの事業者が島原手延そうめんを生産しています。島原手延そうめんが高品質な理由には、雲仙火山が作り出した水と肥沃な大地がもたらす数々の恵みが影響していると考えられています。南島原市は島原半島の南東部に位置し、同じ半島内にある島原市と雲仙市に隣接しています。島原半島の中心部に位置する雲仙火山は約50万年前に活動が始まったとされ、長い時を経て堆積、形成された火山灰層や砂れき層でろ過された地下水は繊細でミネラルが豊富な水になり、加えて火山灰による土と温暖な気候が肥えた腐葉土などの有機物の源となり農業・林業が育まれ、さらに、ミネラル豊富な水の流れは周辺海域へ流れ込むことで漁業に適した漁場を形成します。約50万年にも及ぶ自然の営みから、小麦が育ち良質な水で捏ね海風で乾燥させるそうめんづくりが、生活に根ざしながら自然と産業へ広がったとされます。南島原のイベントには、イベントの内容に関わらず、住民達により島原手延そうめんが振舞われイベントをさらに盛り上げます。 南島原市は、魚介類豊富な有明海及び橘湾に広く面する海岸線を擁しています。南島原市近海で獲れる魚介類は、有明海特有の潮流の早さと潮の干満差により、身が引き締まりとても美味しいことで知られています。「アラカブ(カサゴ)」について、島原半島と天草の海峡は早崎瀬戸と呼ばれ全国的に見ても潮流が早い所ですが、ここで獲れる「カサゴ」は長崎県ブランド魚「早崎瀬戸あらかぶ」として認定されており、赤味をおび、身も良く締まり、淡泊な味は最高と評価されています。なお、長崎県では「カサゴ」の別称を「アラカブ」と呼び、アラカブの旬は特にありませんが12月から5月が最旬とされています。料理例としては、味噌汁、煮付け、唐揚げなどが挙げられます。有明海は「クルマエビ」の産地として全国的に有名で、クルマエビのプリッとした食感と甘味はエビのなかでも別格と認められています。クルマエビの旬は、天然のものは8月から10月、養殖のものは11月から1月とされ、料理例には塩焼き、刺身、天ぷら、えびフライがあります。