デザインアンテナというアンテナがあります。
これは従来の八木アンテナと違い、アンテナの見た目を家のイメージとマッチさせるために作られたものです。
八木アンテナのように強烈な存在感を放たないことから、家のイメージを損なわないアンテナとして新築への設置を中心に密かに人気が高まってきているのです。
今回は、デザインアンテナとは何か、どこに設置すればよいのか、その電波受信性能について紹介します。
【デザインアンテナとは?】
デザインアンテナとは、従来の八木アンテナに比べスタイリッシュな見た目で作られたアンテナのことです。
設置場所も八木アンテナのように屋根の上ではなく、壁面・ベランダなど、多様となります。
また、多様なのはその見た目で、デザインアンテナは色・形状を選ぶことができます。
壁面に設置する場合、家の外壁と似た色を選べば、一見してそこにアンテナがあることなどわかりません。
そのため、八木アンテナのように存在を主張することがない、家の外観を損なわないということで、特に新築に設置するアンテナとして注目されているのです。
ただ、デザインアンテナにはデメリットもあります。
アンテナにとって存在意義ともいえる受信感度です。デザインアンテナの場合、八木アンテナに比べ受信感度が落ちやすい傾向があります。
この場合は、ブースターでカバーすることができますが、地域によってはそれも難しい場合があるのです(ブースターとはアンテナの受信感度を底上げする付属装置です)。
そういう場合は、残念ながらデザインアンテナではなく八木アンテナを使用することが推奨される、ということになります。
【デザインアンテナの設置場所は?】
デザインアンテナの設置場所は、壁面・ベランダなどが主となり、電波感度がよければ屋根裏に設置することも可能です。
少なくとも、屋根より下に設置するという点は共通しているといえるでしょう。
こういった設置場所であるため、デザインアンテナは八木アンテナに比べ風雪の影響を受けにくく、天候によって電波感度が落ちる可能性が低いというメリットがあります。
また、デザインアンテナを設置する際に大切なのは方角です。
電波感度は高い場所にいくほどよくなります。八木アンテナを屋根の上に設置するのはこのためです。
しかし、デザインアンテナは屋根の下に設置するため、電波塔のある方向を調べそれに合わせて置かなければ良好な電波環境を整えられません。
家の立地によっては、家主の望む場所に設置できない場合もあります。
デザインアンテナを設置する場合、設置場所はある程度選ぶことができますが、それは良好な電波環境を前提とした選択であることは覚えておきましょう。
【電波受信性能は大丈夫?】
デザインアンテナのデメリットとして、しばしば電波受信性能が挙げられます。
結論からいえば、デザインアンテナの電波受信性能自体は八木アンテナとほぼ同等です。
地域にも若干左右されますが、設置場所さえ間違わなければ八木アンテナと同等の性能を発揮することができます。
そもそも、アンテナの電波受信性能はそのアンテナの素子数によって決まります。
八木アンテナの場合は横棒の本数が素子を表します。これが多いほど性能が高く、少ないほど性能が下がることなります。
デザインアンテナの場合は、八木アンテナのように素子が目に見える状態ではないので、20素子相当などと示されます。この素子数の最大値は、八木アンテナが27素子、デザインアンテナが26素子相当となります。
つまり、最大素子数の数だけでいうなら八木アンテナの方が高くなります。
しかし、現実に27素子が必要な場面というのはそう多くはなく、日常的に使用するのであれば26素子以下の性能でも十分でしょう。
このため、デザインアンテナの方が素子数が少ないという点はあまり気にする必要はないでしょう。
条件さえ整えば、デザインアンテナの電波受信性能は全く問題ない形で機能します。
【デザインアンテナで新築の家の外観をスッキリ見せよう! 】
デザインアンテナの最大のメリットは、家の外観イメージに影響しないという点です。
従来の八木アンテナの場合、屋根の上に設置するうえ、本体もそれなりの大きさがあるので、どうしても存在感を放ってしまっていました。
しかし、デザインアンテナはその点を解決し、家の外観をスッキリ見せることが可能となっています。
例えば新築の家などであれば、見た目のイメージがスッキリ整うことはとてもうれしいことといえるでしょう。
しかし、デザインアンテナはその設置場所の問題からある程度電波環境のいい地域でなければ使用が難しい場合もあります。
電波環境などについては、業者に依頼することで調査が可能なので、デザインアンテナを検討する場合は一度調べてみるといいでしょう。
デザインアンテナはそのスタイリッシュな見た目と家の外観のイメージを崩さずに設置できることから人気が高まっています。
八木アンテナの存在感が気になったり、家の外観イメージを大事にしたいと思ったりする場合などは、デザインアンテナを検討してみてはいかがでしょうか。