4K・8K放送の実用化にともない、一般家庭にも4Kテレビが普及してきました。
多くのメーカーから、規格や価格もさまざまな4Kや8Kテレビが販売されています。
しかし、4Kテレビを設置するだけでは、4K8K放送は受信できません。
新築はもちろん、すでに、アンテナを設置している家庭でも、新たに4K放送に対応したアンテナを設置する必要があります。
そこで、4K放送を視聴するために必要な設備や、周辺機器について説明します。
4K8Kアンテナ工事にかかる費用相場
4K8Kアンテナの本体価格の相場は5,000円~15,000円ほどです。
しかし4K8Kのアンテナ工事は設置場所が高所になるため危険であったり、宅内の配線に詳しくないとできないためアンテナ業者に依頼するのが一般的です。
また、4K8Kなどの衛星放送の電波は非常に繊細な為、電波受信の際の方向調整は素人にはかなり難しい作業になります。
そのため4K8Kアンテナの設置はアンテナ業者に設置することをおすすめします。
アンテナ専門業者で行う4K8Kアンテナ設置の費用相場は、30,000円~80,000円ほどです。
値段に幅があるのは業者によって差があるのと、視聴台数による金額の差があるからです。
工事内容 |
費用相場 |
1台のみで視聴する場合のBSアンテナの追加・交換工事 |
30,000円~ |
全部屋で視聴できるようにする場合の追加・交換工事 |
50,000円~ |
新築時に地デジアンテナと同時設置する場合 |
50,000円~80,000円 |
4Kテレビはリビングに1台しか置いていないという方も多いですが、中には全部屋で視聴できるようにしておきたいという方もいらっしゃいます。
視聴台数が1台だけであれば比較的安く4K8Kアンテナを設置することができます。
また、NHKや民放の4K放送(右旋)のみ視聴できればよいという方は、8Kに対応する工事をする必要はありません。
8K放送にも対応する工事は+5,000円ほどかかると見ておきましょう。
4K8Kアンテナ工事の前に揃えておくと良い物
4K・8K放送に使用される電波は周波数が高いため、既存のBSアンテナやその他周辺機器では視聴できない場合があります。
その場合、4K・8Kに対応している受信機器・ケーブルに交換する改修工事が必要になります。
アンテナ工事を依頼する前に揃えておけば、工事当日から4K放送を視聴することができるため、下記で紹介する項目は工事日までに購入しておくことをおすすめします。
4K8Kテレビ
4Kテレビとはわかりやすく説明すると「フルハイビジョンテレビの4倍高精細なテレビ」です。
4Kテレビの4Kとは、画素数をあらわしています。画素とは画像を構成する色の粒で、画素の数が多ければ多いほど、なめらかできめ細やかな映像を映し出すことができます。
これまでのフルハイビジョンテレビの画素数は約200万画素でした。
しかし、4Kテレビの画素数は約800万画素と、フルハイビジョンテレビのおよそ4倍です。
さらに、従来のフルハイビジョンテレビは、大画面になるほど映像が粗くなるという欠点がありました。
4Kテレビなら大型テレビでも画面の粗さが目立ちにくく、映画館のような臨場感ある映像を楽しむことが可能です。
しかも、4Kテレビは、地上デジタル放送やDVD、ブルーレイなどの4Kに対応していない映像も、4Kに変換する機能があります。
中には4K対応テレビといって、チューナーが内蔵されていないタイプのものも販売されていますが、チューナーレスタイプですと、4K映像に変換できないため別途でチューナーを購入する必要があります。
チューナー非内蔵型の4Kテレビは比較的安価でお求めやすいですが、後からチューナーを購入したり、接続が複雑になることがあります。
そのためこれから購入する方はチューナー内蔵の4K8Kテレビを購入することをお勧めします。
また、4K対応コンテンツだけでなく、テレビ番組や映画も高画質で視聴したい人や、40型以上の大型テレビを購入したい人には、4Kテレビがおすすめです。
また、オンデマンド系サービスにも4Kに対応しているコンテンツがあります。
オンデマンド系サービスならアンテナを設置しなくても、インターネットに接続できれば視聴が可能です。
ただし、専用の受信機が必要な場合があります。受信機には据え置き型のものや、テレビ本体のUSB端子やHDMI入力端子に接続するものなど、さまざまなタイプがあります。
4K放送を視聴するために4Kテレビを購入するのであれば、自宅のインターネット環境についてもよく調べておきましょう。
4K放送対応チューナー
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チューナー内蔵型の4Kテレビであれば、外付けのチューナーを購入する必要はありません。
4Kチューナーが内蔵されていないタイプの4K対応テレビをお持ちの場合は、4K放送に対応したチューナーが別途必要になります。
お手持ちのテレビは4Kチューナーが内蔵されているものか確認しましょう。
4K放送対応チューナーは、高解像度の映像を処理し、4K解像度のコンテンツを表示することができる機械です。
4K対応テレビを持っている場合、4K解像度の放送やコンテンツを楽しみたい人にとって、このようなチューナーは必須の装置となります。
4Kチューナー内蔵レコーダー
Amazon:【パナソニック 1TB 3チューナー ブルーレイレコーダー 4Kチューナー内蔵 4K おうちクラウドDIGA DMR-4SE102】
お手持ちの4Kテレビにチューナーや録画機能が付いていない場合は、こちらの4Kチューナーとレコーダーが一緒になった”4Kチューナー内蔵レコーダー”がおすすめです。
4K8Kテレビに、チューナーやレコーダー機能が付いていれば後から購入する必要がないので楽ですが、すべての機能が付いているため価格が高い傾向があります。
予算を考慮して、チューナーやレコーダーを後付けするのも一つの手段です。
レコーダーの場合、録画容量によって価格はそれぞれです。
容量が多ければ多いほど値段は高くなります。
4K8K対応アンテナケーブル
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4Kや8K解像度の放送を受信する場合、通常のアンテナケーブルでは高解像度の信号を適切に伝送することができません。
このような場合、4K8K対応のアンテナケーブルを使用することで、高品質の放送を受信できます。
ケーブル購入の際にチェックすべきポイントとしては
・「4K8K対応」と記載のあるもの
・SHマークが記載されているもの
・周波数3224MHzに対応しているもの
以上の3つに着目して購入しましょう。
SHマークというのは「スーパーハイビジョン受信マーク」の略称です。
8Kテレビ放送やスーパーハイビジョンに対応したアンテナや周辺機器には、8K受信機器としての認証を示すためにこの「スーパーハイビジョンマーク」が付いています。
これは、8Kテレビ放送の受信に使用できる機器であることを示すために設けられたマークです。
8Kテレビ放送は非常に高解像度の映像を提供するため、それに適したアンテナや受信機器が必要です。
このマークが付いた機器は、8Kテレビ放送の信号を受信し、解読することができることを示しています。これにより、視聴者は高品質な8Kコンテンツを楽しむための機器を選ぶ際に、信頼できる目印となります。
このマークがついたアンテナ周辺機器を使用することで、8Kテレビ放送の高品質な映像や音声を受信でき、より臨場感のある視聴体験を得ることができます。
4K8Kアンテナ工事を業者に依頼するまでの流れ
4K8Kアンテナの工事を業者に依頼する手順は次のようになります。
1.必要な準備と情報の収集
まず、4K8Kアンテナ工事を行う前に、自宅や建物の周囲でのアンテナ設置可能な場所や条件を確認します。
また、近隣の規制や許可について調査しましょう。近隣の住宅にパラボラアンテナが付いていないか確認すると良いでしょう。
2.業者の選定
信頼できるアンテナ設置業者や電気工事業者を選びます。
口コミや評判、インターネットでのレビューや評価を参考にし、複数の業者から見積もりを取ることをお勧めします。
3.見積もりの取得
選んだ業者に4K8Kアンテナ工事の見積もりを依頼します。
この際、作業内容、費用、工期、保証内容などを含む詳細な見積もりを複数の業者から取得し比較します。
3.予約
見積もりや提案内容を十分に検討し、業者を選定したら、工事内容や費用などを明確にし予約をしましょう。
工事の日程や支払い条件などに注意して事前に確認しておくと安心です。
4.工事の実施
業者との契約に基づき、工事が行われます。
これにはアンテナの設置や配線、調整などが含まれます。
工事中は業者とのコミュニケーションを大切にし、事前に希望の位置などを伝え工事が予定通り進んでいるか確認しましょう。
5.工事完了
工事が終了したら、アンテナの設置が正しく行われたかどうかを確認するため、テストを実施します。これには、信号の受信状況や画質を確認する作業が含まれます。
6.支払いと保証
工事が完了し、納得のいく状態であれば、業者に支払いを行います。
また、業者の保証内容やアフターサービスについても確認しましょう。
これらの手順に従って、信頼できる業者に4K8Kアンテナ工事を依頼し、円滑な工事と高品質な受信環境を確保できます。
4K8Kアンテナ工事は専門業者に依頼するのがベスト
4K8Kアンテナの工事はアンテナ専門業者に依頼するのが一般的ですが、DIYという考え方も選択肢の一つです。
ただし、この場合、いくつかの考慮すべきポイントがあります。
~専門業者への依頼のメリット~
専門業者は経験豊富であり、適切な工具や技術を持っています。彼らの専門知識に基づくアプローチにより、信号強度や最適なアンテナ位置の決定などが行われます。
また、効率的で確実な作業が保証されています。
また、専門業者は作業後の保証やアフターサービスも提供し、問題が発生した場合に修理や調整を無料で行ってくれる場合もあるので自分で設置するよりもおすすめです。
~4K8KアンテナのDIYの考慮事項~
アンテナ設置には専門的な知識とスキルが必要です。
アンテナ設置に関する知識や経験が十分でない場合、設置や調整を行うことが困難なことがほとんどです。
中でも一番気を付けて頂きたいのが安全上のリスクについてです。
屋根や高所での作業が必要な場合があります。これには安全リスクが伴い、十分な対策や慎重な作業が必要です。
さらに適切な4K8Kの電波は繊細な角度調整が必要です。
DIYで行う場合、信号の受信性能に影響を与える可能性があるため、設置はできたけれど画質や音質が悪いということもしばしば。
せっかくの高画質・高音質を楽しめるはずの4K8Kアンテナが台無し、ということにならないためにも専門業者を頼る方が無難でしょう。
4K8Kアンテナ工事で視聴できるチャンネル
4K8Kアンテナ工事を行うと様々なジャンルの番組を高画質・高音質で楽しむことができます。
大規模なスポーツイベントや試合、F1レース、サッカー、オリンピックなどのスポーツイベントが4Kや8Kで放送されることがあります。
また、高画質で放送される自然、科学、歴史、宇宙などのドキュメンタリー番組は圧巻です。
さらに、 最新の映画やドラマ、またはリマスターされたクラシック作品が4Kや8Kで視聴できることがあります。
他にも4Kや8Kでの特別なイベントや音楽コンサートなども放送されることがあります。
視聴可能なチャンネルは常に変化しており、新しい技術とコンテンツが提供されるたびに拡大しています。
地域や放送局によって提供されるコンテンツが異なるため、特定の4K8Kチャンネルを視聴するためには、地域の放送情報や契約プランをチェックすることが重要です。
【従来のアンテナ】右旋円偏波で放送されるチャンネル
衛星放送の電波は右旋と左旋の2種類の電波があります。
右旋の電波を受信して視聴できる4K放送は
NHK BS 4K BS朝日4K BSテレ東4K BS日テレ4K BS-TBS4K BSフジ4K |
などの無料チャンネルなどです。
(NHKは衛星契約となり受信料支払いが義務付けられます。)
これらは右旋円偏波を受信すれば視聴できるので、従来のBSアンテナで視聴が可能です。
しかし2018年から新たに始まった左旋の電波は、左旋受信専用の4K8KBSCSアンテナが必要になります。
【新しいアンテナ】左旋円偏波で放送されるチャンネル
BS左旋4K・8K放送
ショップチャンネル4K(無料)通販番組 4KQVC(無料)通販番組 WOWOW 4K NHK BS 8K(NHK受信料衛星契約が必要) ザ・シネマ 4K(月額900円) |
100°CS左旋4K放送
J SPORTS 1
J SPORTS 2 J SPORTS 3 J SPORTS 4(月額2,286円) 日本映画+時代劇 4K(月額900円) スターチャンネル 4K(月額2,500円) スカチャン1 4K(スカパー!4Kチャンネル契約者無料) スカチャン2 4K |
4K8Kアンテナ工事が必要なケース
衛星放送用の4K8KBSCSアンテナだけでなく、地デジアンテナが必要な場合もあります。
テレビ視聴環境は自分で選択する必要がある為、どの方法を選択するかは自由です。
ランニングコストや、メンテナンス面などを考慮して選択すると良いでしょう。
新築を建てた
新築を建てた場合、新築の住宅では通常、アンテナは事前に設置されていません。
4K8Kテレビを楽しむためには、上記でも説明してきたように4K8KBSCSアンテナが必要になりますが、地上デジタル放送用の地デジアンテナは大前提で必要になります。
中にはケーブルテレビや光回線を契約して視聴する方法もありますが、初期工事費用に加えてランニングコストがかかるのでコストパフォーマンスの面を考慮するとおすすめできません。
地デジアンテナのデザインアンテナや八木式アンテナ、最新型のユニコーンアンテナに加えて4K8Kに対応したアンテナ周辺機器も必要になります。
中でもブースターは電波をより強く安定させる機能を持つので必須となってくるアイテムです。
新しい住宅にアンテナを設置する際には、地域の受信状況や建物の周囲の環境を考慮し、4K8KBSCSアンテナはアンテナ専門業者に設置してもらう必要があります。
4K8Kテレビを購入した
テレビの買い替え時に、新たに4K8Kテレビを購入した際は4K8Kアンテナ工事をしないと4K8Kの映像を楽しむことはできません。
2023年現在では地デジで4Kや8Kで放送されている番組はありません。
地デジの4K化は様々な課題があり現在進んでいない状況です。
なかには4K映像でゲームを楽しむだけに4K8Kテレビを購入する方もいらっしゃいますが、最大限4K8Kテレビの魅力を堪能するためにはパラボラアンテナの設置がおすすめです。
4Kテレビへの買い替え時は、アンテナだけでなくブースターなどの周辺機器やケーブルなどの買い替えも必要になるのでアンテナ業者に相談して、テレビ周りの環境も整えてもらうと安心です。
マンションやアパートの場合
マンションやアパートに住んでいる場合、共用のアンテナ設備があるかどうか確認することが重要です。
ただし、一部の建物では、共用のアンテナが4K8Kに対応していないことがあります。
従来のBSアンテナや110度CSアンテナでは、4K放送を受信できません。
そのため、個別に4K8Kアンテナを設置することで、自宅で高解像度のテレビを楽しむことが可能となります。
4K放送は高画質なぶん情報量も多く、従来のBS・CS放送よりも高い周波数を必要とします。
これまでのアンテナで受信できる周波数は、BSアンテナが1,032~1,489MHz、110度CSアンテナが1,595~2,071MHzでした。
しかし、4K放送を受信するためには2,224~3,224MHzの周波数が受信できるアンテナが必要です。
そのため、すでにアンテナを備えている住宅でも、4K対応アンテナへの交換が必要になります。
さらに、ブースターや分配器の交換が必要な場合もあるので、工事の内容や費用が気になる人は、専門業者に問い合わせてみてください。
ちなみに、4K対応アンテナは4K放送しか受信できないわけではありません。
BS・CS放送にも対応した共用アンテナもあります。
みずほアンテナの4K8K工事を紹介!
みずほアンテナでおこなった4K8Kアンテナ工事をご紹介いたします。
設置場所や方法は、ご自宅の電波状況や周辺環境によって様々です。
できる限りお客様の希望に添えるような工事を提供しております。
問い合わせ時や工事スタッフにご希望をご遠慮なくお伝えください。
東京都世田谷区野沢 デザインアンテナ+4K8KBSCSアンテナ外壁設置
地デジアンテナのデザインアンテナと衛星放送用の4K8KBSCSアンテナを外壁に設置しました。こちらは同箇所に設置していますが、電波の関係により2つのアンテナを離れた場所に設置することもあります。
東京都清瀬市中里 八木式アンテナ+4K8KBSCSアンテナ屋根上設置
八木式アンテナの中でも、素子数の多いパラスタックアンテナを使用し電波の弱い地域でもきれいな映像を楽しめるようになっています。4Kテレビをお持ちでしたので、パラボラアンテナは右旋・左旋どちらにも対応した4K8KBSCSアンテナを使用しています。
神奈川県横浜市緑区北八朔町 デザインアンテナ+4K8KBSCSアンテナ外壁設置
外壁にサイドベースと呼ばれる突き出し金具を用いて取り付けました。ご自宅や電波の状況によって適切な設置金具を現場で選定させていただきます。設置前には設置場所の目安をお伝えし、お客様の許可を頂いてから作業に取り掛かります。
まとめ
いかがでしたか。4K8Kアンテナ工事には、対応したアンテナだけでなくテレビ・チューナー・アンテナケーブル・その他周辺機器が必要なことが分かりました。
衛星放送は有料というイメージが強いですが、無料チャンネルも多く様々なジャンルのチャンネルを楽しむことができます。
テレビライフを充実させたいという方には4K8Kアンテナをおすすめしています。
みずほアンテナでは地デジとセットでお得に設置できるセット価格をご用意しておりますので、是非無料見積もりをお試しください。
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