一戸建てとどう違う?マンションにおけるテレビアンテナの設置のススメ

公開日 2018/12/16

同じテレビアンテナであっても、マンションと一戸建てとでは、設置方法や注意点が異なります。アンテナからケーブルを引いて受像機まで送る点は同じです。

ただし、マンションでは、ひとつのアンテナで受信した電波を共有する仕組みが必要です。

また、実際の工事を行う際に、権利関係が複雑なマンションのほうが、一戸建てより注意すべきポイントが多くなります。

ここでは、一戸建てと比較しながら、マンションのアンテナ設置の注意点について確認してみましょう。

 

 

【マンションと一戸建てにおけるアンテナ設置の違い】

 

テレビアンテナからの電波は同軸ケーブルで受信機まで送るのが基本です。

マンションでは、屋上に共用アンテナを立てて、そこから各住戸に分配する方式を取ります。

アンテナから各住戸内までの伝送経路としては、アンテナで受信した電波が、混合器・ブースター・分岐分波器などを経て各住戸のTVコンセントに供給される方式が一般的です。

分配が必須のマンションのアンテナは、受信感度が良い大きなものが理想的でしょう。

ただし、設置場所である屋上はかなりの風圧を受けますので、アンテナ支柱や取付台の強度については建物の設計段階から考慮しておく必要があります。

それに対し、一戸建ては、アンテナ設置場所の自由度が高いといえるでしょう。

屋根だけでなく、壁面や2Fのベランダや、庭に立てた支柱に設置することもできます。

デザイン上、アンテナを見せたくない場合は、屋根裏に設置する方法まであるのです。

アンテナ自体も、比較的小さいもので十分で、一見するとアンテナには見えないようなデザインアンテナも使えます。

受像機の台数が少ない場合は、ブースターの必要もないため、マンションと比べてシンプルな伝送経路です。

 

【新規設置と交換でも違う!それぞれの注意点】

 

新規設置の場合は、まず受信電波の状態をチェックします。

同時に、受信機が置かれることになる戸数を調べてください。

マンションの場合、アンテナで受信した電波を複数の受信機で分配することになります。

基本的な考え方としては、受信機の数が増えれば増えるほど、一台あたりに分配される電波は弱くなります。

これは、どの放送形態でも同じです。地上デジタル放送も、衛星からの電波を受けるBS・CS放送も、ある強さ以上の電波の入力がなければ、視聴不可になります。

対策としては、アンテナの受信感度を上げるか、ブースターを設置していきます。

受信感度を上げるには、大きなアンテナを設置すればよいのです。

ただし、そうすると風の影響を受けやすくなり、支柱や取付台を強化する必要が出てきます。

実際は、ある程度大きめのアンテナを設置して、ブースターで電波を増幅することが多いでしょう。

交換の場合はいくつかのケースが考えられます。耐用年数が過ぎたことによる交換であれば、小さいアンテナに変更できるかもしれません。

同程度の性能で良ければ、新しいアンテナのほうが小型化する傾向にあるからです。

また、交換の目的が周辺に高層の建物ができたための遮蔽障害なら、高性能のアンテナに取り替えればよい場合と、ケーブルテレビ経由での視聴になる場合があります。

後者の場合、マンションにケーブルテレビのターミナルを設置する必要が出てきます。管理組合を主体にして、居住者と業者を交えた綿密な協議が必須となるでしょう。

 

【マンションでアンテナを設置する場合に気をつけたいこと】

 

マンションは戸建住宅と異なり、権利関係と管理主体が複雑です。

各住戸は区分所有ですが、共用部の所有権は按分され、管理は管理組合が行うというのが一般的です。

まず、この関係を調べて、誰にどのような許可を得るべきか整理してください。

このプロセスをきっちりと押さえていないと、工事中止や不要なトラブルの原因になります。

実際のアンテナ工事のポイントは、オーナーが区分所有権を持っている各住戸内の工事です。

まず、工事日程の調整を行います。作業について、オーナーまたは居住者へ通知してください。

共用部分の工事とは異なり、基本的にオーナーまたは、居住者立ち会いのもとで入室しての作業となります。

委任状などをもらえれば、管理組合側の責任者が代理でも作業可能です。

作業の日程が決まれば、アンテナ工事に支障が出ないように、家具などの移動についても、十分に周知しておく必要があります。

室内でのアンテナ工事は、主に壁面の電源コンセントの近くにあるTVコンセントまわりの作業です。

作業予定日までに、作業スペースを確保しておいてもらえるように、丁寧に依頼しておきましょう。

 

【設置前に業者と綿密に相談しよう】

 

マンションでのテレビアンテナの設置工事は、新規設置であっても交換であっても、関係者との合意形成がスムーズな作業のポイントになります。

オーナーや居住者への情報提供は必須です。

入室日の調整だけでなく、工事の概要や必要性などについても十分なコミュニケーションを図り、作業への理解を求めましょう。

また、設置を請け負う専門業者との連携も不可欠です。

綿密な協議を重ねて作業内容の相互理解を深めてください。

専門業者の選定にあたっては、マンションでの設置実績のある業者を選ぶのが安心です。

インターネット上の業者のサイトから情報を収集したり、管理会社が管理する別のマンションでのアンテナ工事の情報を参考にしたりするとよいでしょう。


みずほアンテナ編集部
年間3万件以上の施工実績を誇るみずほアンテナの専門チームがテレビアンテナ工事について初心者の方にも分かりやすく解説します。

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