地上デジタル放送を受信するためのアンテナには、大きく分けて2種類のものがあります。
これまでは屋外に設置するタイプのアンテナが主流でしたが、デザインアンテナと呼ばれる平面型のアンテナが人気を集めています。
建物の外観を損ねない、劣化のリスクが少ないなど、従来のアンテナにはないメリットを備えているのもデザインアンテナの特徴です。
そこで、デザインアンテナの種類や相場、設置場所など、デザインアンテナの基本的な知識を紹介します。
【デザインアンテナって何?】
デザインアンテナとは、屋外にも屋内にも取り付けられるタイプのアンテナで、薄型や平型のものが多いことから、平面アンテナやフラットアンテナとも呼ばれています。
サイズやカラーが豊富でデザイン性に優れているため、従来型のアンテナよりも目立たず設置できるのが大きな特徴です。
また、家の中やベランダにもつけられるので風雨の影響を受けにくく、悪天候でも落下したり位置がずれたりする心配がほとんどありません。
これまでのアンテナは高所に設置されることが多く、交換や修理の際に危険をともないましたが、デザインアンテナなら安全にメンテナンスが可能です。
ただし、電波の受信状況が悪い地域では、デザインアンテナでは感度が低すぎて、テレビが映らなくなってしまう場合もあります。
そのような場合はブースターを取り付けたり、屋根よりも高い位置にデザインアンテナを設置したりなどの対策が必要です。
【デザインアンテナの豊富なバリエーション】
デザインアンテナには、薄型の平面タイプや箱型、丸型など、さまざまな形状のものが存在します。
カラーも白やベージュ、茶色、黒などバリエーションが豊富で、外壁や壁紙の色に合わせて選べます。
ただし、デザインアンテナを選ぶ際に気をつけなければいけないのは、見た目だけではありません。
受信感度や性能も機種により異なるため、取りつける場所の電波状況を考慮しながら、相性の良い機種を選ぶ必要があります。
もともと電波が弱い場所だとデザインアンテナが使えないこともあり、結局従来型の屋外型アンテナを設置しなければいけません。
デザインアンテナの導入を考えているのであれば、自分で購入する前に専門業者へ相談し、どのようなアンテナを選べばいいのかアドバイスを受けたほうが良いでしょう。
【デザインアンテナの相場は?】
デザインアンテナは、従来の「八木式アンテナ」と呼ばれるアンテナに比べると高額です。
八木式アンテナの相場が4,000円~6,000円程度であるのに対し、デザインアンテナは本体だけで10,000円~12,000円ほどかかります。
通販サイトや家電量販店には1,000円~3,000円程度の小型アンテナも販売されています。
しかし、こちらは室内専用のアンテナです。受信感度はデザインアンテナよりも低いので、電波が弱い住宅では使えないことがあります。
業者にデザインアンテナの工事を依頼する場合、相場は20,000円~25,000円ほどです。
ただし、価格はアンテナの機種や取りつける場所により変わります。電波が弱い地域だとブースターで電波を強くする必要があるため、ブースター本体の価格と工事費用が追加されます。
ブースターの取り付けには15,000円~20,000円ほどかかるので、最初から八木型アンテナを設置したほうが安く済む場合もあります。
知識があれば自分でアンテナを設置し、工事費用を浮かせることも可能です。
しかし、素人がアンテナを設置するとテレビが映らなかったり、取り付ける際にアンテナを破損したりなどのトラブルが起きる可能性があります。
自信がなければ無理をせず、専門業者に設置を依頼しましょう。
【デザインアンテナのおすすめの設置場所は?】
屋外にしか設置できない八木式アンテナと違い、屋内にも設置できるのがデザインアンテナの大きなメリットです。
一般的なのは、家の外壁や窓の外です。ビスでしっかりと固定するので強度が非常に高く、脱落や落下の危険はほとんどありません。
ベランダに設置している家庭も多いです。専用の金具を使って、ベランダの手すりに固定します。
こちらも強度は高いですが、ベランダがある程度丈夫でなければ設置できません。
なるべく外から見えない場所に設置したい場合は、屋根裏もおすすめです。
ただし、屋内は屋外よりも電波が弱くなる傾向があるので、もともと受信状況が良い地域でないと設置できないこともあります。
また、屋根や壁の素材によっては電波がさえぎられてしまう場合もあるので、屋内のへの設置が可能か業者に確認してみましょう。
【おしゃれなアンテナを使ってみよう】
従来型のアンテナにもデザインアンテナにも、それぞれメリットとデメリットがあります。
しかし、デザインアンテナの人気の理由は、見た目がおしゃれなだけではありません。
劣化が遅く、頻繁にメンテナンスをする必要がない、非常に使い勝手の良いアンテナです。
特徴を考慮したうえで、きちんと電波を受信できる機種を選べば長く使えるでしょう。
まずは専門業者に問い合わせて、最新の機種や工事費用について、詳しい話を聞いてみることをおすすめします。