引越し先が中古住宅・既存住宅の時、準備せずにテレビを視聴できる環境か、必ず前もって確認をしなければなりません。
新築を建てた時にはハウスメーカーや工務店からアンテナに関しての話が出ます。
しかし中古住宅・既存住宅の場合には現状引渡しが原則であり、引っ越した後にアンテナが設置されていない事に気づく方もいらっしゃいます。
中古住宅・既存住宅へ引っ越す際には、テレビの視聴方法も忘れずに決めておきましょう。
今回はアンテナが設置されていないケースの対処法を中心に解説します。
中古の戸建て物件でテレビを見るにはどうしたら良い?
中古住宅・既存住宅でテレビを見る方法は新築住宅で選べる選択肢と基本的に同様です。
選択肢は主に3つあります。
①アンテナを設置する
②ケーブルテレビを契約する
③光回線を契約する
それぞれの概要と視聴方法をご紹介します。
各方法に一長一短あり、ご自身の環境やテレビへ求めるもの等によって選ぶことができます。
アンテナを設置する
アンテナを設置する方法とは、テレビアンテナを自宅に取り付けて、地デジ放送や衛星放送を視聴する方法です。
地デジ放送と衛星放送は電波の発信元が異なる為アンテナの種類も異なり、両方視聴されたい方は2種類のアンテナを設置します。
ただし電波環境は戸別により異なり、各環境における適切なアンテナの設置場所を探したり、必要に応じてブースター(電波増幅器)を設置したりする必要があります。
ケーブルテレビを契約する
ケーブルテレビを契約する方法とは、J:COM等のケーブルテレビ事業者と契約してテレビを視聴する方法です。
アンテナでは自宅にアンテナを設置して電波を直接受信しますが、ケーブルテレビでは最寄りのケーブルテレビ局が受信した電波を電柱を介して有線で自宅まで引きます。
有線がケーブルテレビ網(光ファイバーケーブルと同軸ケーブル)であることからケーブルテレビといいます。
ケーブル回線はインターネット等の通信サービスにも利用される為、ネットとテレビと合わせて利用する方が多いようです。
光回線を契約する
光回線で見る方法とは、光回線の契約にTV視聴のオプションを付けて視聴する方法です。
光回線とは電話回線ではなく光ファイバーを利用していることから光回線といいます。
光回線はインターネットに適した通信回線で、光回線によるTV視聴はあくまでオプションサービスであり、基本のネット契約が必須です。
光回線には①フレッツ光②光コラボ③その他の事業があります。
いずれかの回線と契約して、「フレッツ・テレビ」や「ひかりTV」等のテレビサービスをオプションで付けます。
中古の戸建て物件で確認したい、アンテナ確認ポイント
新築住宅の場合、アンテナについてもまっさらな状態ですので必ず施主ご自身が注文しなければなりませんが、中古住宅・既存住宅の場合、既存アンテナの有無等状況により準備が異なります。
ここでは中古住宅・既存住宅のアンテナに関する確認ポイントをご紹介します。
中古住宅・既存住宅の購入を検討した段階からアンテナの確認もすると、引っ越した後に「テレビが見られない」等と困る心配がありません。
アンテナ自体が設置されているか
まずはアンテナ本体が設置されているか確認しましょう。
アンテナというと屋根の上に載っている魚の骨のような形(八木式アンテナ)を思い浮かべるかも知れませんが、現在では他の姿形もあり設置場所も様々です。
地デジのアンテナは八木式アンテナの他に、デザインアンテナという平らな箱型のアンテナ、ユニコーンアンテナという筒状のアンテナがあります。
アンテナの設置場所は屋根の上に限らず、屋外では壁面や破風板に、屋内では屋根裏に設置されることもあります。
屋根裏に設置されている場合、外観から分からない可能性が高いです。
アンテナの工事はいつ行われた?
アンテナが設置されている場合、いつ取り付けられたか確認しましょう。
理由は主に2つあり、一つは地デジ対応の可否です。
2011年7月にアナログ放送から地デジ放送へ完全移行した為、それ以前に取り付けられていた場合、地デジ放送に対応していない可能性があります。
もう一つの理由は、アンテナの寿命です。
現在のアンテナは20年程使用できる設計ですが、以前は10年が目安とされていました。
寿命を超えている場合、例えテレビが映ってもアンテナを取り付けている金具やワイヤーに錆が生じていて落下等の可能性が高く危険です。
見た目に異変はないか
アンテナが設置されている場合、アンテナ本体の見た目を確認しましょう。
ただし屋根の上や高い位置の壁面等高所の場合には危険ですので、無理せずアンテナ専門業者へ依頼しましょう。
また屋根裏に設置されている場合も同様にプロへ依頼したほうが安心です。
アンテナ本体の確認は、
・アンテナに破損箇所がないか
・本来の設置場所からズレが生じていないか
・アンテナ本体が傾いていないか
などを明らかに把握できる点で十分です。
目視では判断できない場合がありますので調査はプロに依頼しましょう。
前の住人のテレビ視聴方法は?
アンテナが設置されていない場合、前の住人がアンテナを設置しない方法でテレビを視聴していた可能性があります。
アンテナを設置せずにテレビを視聴する方法は上記で触れた通りケーブルテレビや光回線の利用です。
ご自身がアンテナ設置によるテレビ視聴を望む場合には、自ら工事を手配してアンテナを新設する必要があります。
なお、ケーブルテレビや光回線によるテレビ視聴方法について、前の住人と同じ方法を選択しても契約は引き継がれるものではないので新たな契約と配線や設置の工事が必要です。
前の住人がケーブルテレビを利用していた場合、屋外にケーブル線が残っている可能性があり、光回線を利用していた場合は屋内に配線が残っている可能性があります。
いずれにせよアンテナが見当たらない場合は不動産屋を介して前住人に確認することが手っ取り早く正確です。
テレビが映らない原因とその対処法は?
中古住宅・既存住宅の場合、アンテナが設置されていてもテレビが映らないケースは多々あります。
ここでは主な原因とその対処法を5点ご紹介します。
アンテナ本体を理由とするケース、アンテナの経年劣化や地デジ未対応等は除きます。
B-CASカードがささっていない
B-CASカードとはB-CAS株式会社が発行するICカードであり、テレビ等の受信機に挿入して使用するカードです。
暗号化されたデジタル放送の電波を解除する役割があり、テレビにB-CASカードを挿さないとデジタル放送(地デジ放送、BS/CS放送)が映りません。
普段はテレビに挿さったままにされており、引っ越しの際もテレビから外す方は少ないでしょう。
ただ引っ越しの梱包や運搬時にカードが抜けたり、ICチップの部分に傷や汚れがついたりする可能性があります。
B-CASカードを一度抜いて再度挿入しても状況が変わらず、明らかにカードに原因がある時はカードを交換しましょう。
B-CASカードはB-CAS株式会社でのみ購入できます。
参考URL:B-CAS株式会社
チャンネル設定の誤り
テレビを購入した際に、チャンネル設定をした事を覚えているでしょうか。
チャンネル設定は地域の情報を取得する為に必ず必要な作業です。
引越し前の地域が設定されたままだと、転居後の地域では映らない可能性があります。
近所や同じ地域内の引っ越しでも再度チャンネルを設定しましょう。
チャンネル設定は自動で行う方法、地域を選ぶ方法、郵便番号を入力する方法がありますが、いずれもテレビの設定から行います。
FUNAIを参考に手順を説明します。
①リモコンのホームボタンを押す
②設定を選び決定
③受信設定を選び決定
④地上デジタル設定を選び決定
⑤初期スキャンを選び決定
⑥お住まいの地域を選び決定
⑦スキャンしたい放送の種類を選び決定
参考URL:FUNAI
アンテナケーブルが抜けている、接続がされていない
アンテナケーブルの状態や接続を確認しましょう。
まずアンテナケーブルそのものの状態ですが、ケーブルはビニール等の外皮で覆われており中のケーブルの緩みや断線を把握することは難しく、基本的にはプロへ任せる範囲です。
それからアンテナケーブルの接続状態ですが、こちらはご自身で確認できます。
地デジアンテナのみを設置している場合、アンテナ端子からテレビの「地デジ」の差込口へ差しますが、差込口の誤りや差込みの緩み等に気をつけます。
なお屋外のアンテナケーブルの状態の確認は高所で危険が伴う為、アンテナ専門業者へ任せましょう。
ブースター電源がない
ブースターはテレビの信号を増幅する機器です。
中古住宅・既存住宅でアンテナが残されていた場合、ブースターだけ持ち去られるケースは稀です。
しかしブースターは本体部と電源部に分かれており、場合によって電源部(ブースター電源)はテレビの近くに設置される事があります。
テレビを梱包した際にテレビの付属品だと勘違いし、一緒に転居先へ持って行かれるケースが意外にも多くあります。
ブースターが必要な環境でブースターが見当たらない場合やブースターの本体部のみある場合には、新たにブースターを設置しましょう。
アンテナが電波を受信できていない
テレビの設定や接続を正してもテレビが映らない場合、そもそもアンテナが電波を受信できていない可能性があります。
アンテナを設置した時期と現在とで自宅周辺の環境が大きく変わっていると、電波状況に影響を与えているかも知れません。
地デジ放送の電波は地上にある電波塔や中継基地から発信されており、周辺が山や高い建物で囲まれている場合には、アンテナを屋根の上にアンテナマストと呼ばれるポールを用いて高さを出して設置する等の工夫が必要です。
アンテナを設置した当時の環境からの変化がないか確認しましょう。
低木が成長して電波を遮へいしているというケースもあります。
関連記事?引っ越し先でテレビが映らない際の原因と設定方法!メーカー別・賃貸・戸建て別に解説【正しく設定してもテレビが映らない場合の原因と対処法】
戸建て賃貸に引越す際のアンテナに関する注意点
【アンテナが設置されている場合】
既存のアンテナは大家(賃貸物件のオーナー)の管理する範囲内にあり、故障や破損等のアンテナに不具合が生じた際には不動産屋を介して大家へ連絡しましょう。
不具合とまでいかない点検をアンテナ業者へ依頼したい場合も同様に大家へ連絡する必要があります。
大家の許可を取らず勝手に工事を依頼すると、料金は賃借人の自己負担になるばかりでなく、トラブルに発展する事もあるので注意が必要です。
【アンテナが設置されていない場合】
新たにアンテナを設置してテレビを視聴したい場合、大家に許可を取ってからアンテナ工事を行いましょう。
アンテナ工事は設置方法によって建物の壁面に穴を開けることがあります。
工事の前に大家に確認しておけば余計なトラブルを避けることができます。
またアンテナ工事の費用負担、退去時の取り決めも必ず確認しましょう。
特に賃借人の負担でアンテナを設置した場合、退去時に大家が買い取るか、原状回復として撤去するか、退去時に揉めないように予め決めておきましょう。
持ち家の中古戸建に引越す際のアンテナに関する注意点
【アンテナが設置されている場合】
アンテナが設置されていても使用できないケースがある為、アンテナをそのまま使用できるか否か確認が必要です。
アンテナが継続して使用できてもメンテナンスが必要な場合があります。
またアンテナが設置されていても異なる種類のアンテナへ交換したい場合、例えばUHFアンテナからデザインアンテナへ等もあります。
アンテナの交換やメンテナンスは中古物件・既存住宅の購入者が行います。
引っ越してすぐにテレビを視聴したい場合には前もって準備しましょう。
【アンテナが設置されていない場合】
アンテナを設置してテレビを視聴したい場合、当然アンテナ工事が必要です。
ただしアンテナ設置が禁止されている美観地区や電波の環境が悪くアンテナ設置に適していない地域の可能性もあるので確認しましょう。
アンテナ設置が可能な場合には、いくつかアンテナ専門業者へ相談や見積もりを依頼してアンテナ工事の予約をします。
引っ越しシーズンや年末年始等はアンテナ工事を頼む人が多いので早めの準備が安心です。
引越す前の確認事項
中古住宅・既存住宅への引越しが決まったらアンテナに関しては以下のような事を確認しましょう。
・アンテナが設置されているか
・アンテナが設置されている場合の種類
・アンテナが継続使用できるか
・ブースター等の機器も揃っているか
・アンテナが火災保険の対象か
上位4点については他の項目で触れましたので、ここでは5点目の火災保険の件をご説明します。
中古物件を購入した際、新たな所有者が火災保険の契約を結びます。
アンテナが台風や強風等の自然災害によって破損した事が原因でアンテナ工事を行うと、火災保険が適用されて補償されるケースがあります。
補償の有無、補償の範囲は契約により異なる為、火災保険を契約する際に確認しておくと被災した際に慌てません。
アンテナを設置してテレビを見よう!
中古物件・既存住宅でのテレビ視聴方法を迷ったらアンテナ設置がおすすめです。
ケーブルテレビや光回線による方法は、契約が年単位と長期間であり、一度契約すると他への切替えが難しくなります。
アンテナは設置の費用はかかりますが、毎月の利用料は発生せず設置後20年程使用できる為、柔軟性がありかつお得です。
ここでは地デジのアンテナ、BSアンテナ、それぞれを2種類ずつご紹介します。
関連記事?引っ越し先でテレビが映らない際の原因と設定方法!メーカー別・賃貸・戸建て別に解説
八木式アンテナ
八木式アンテナは八木と名付けられている通り日本人が発明したアンテナです。
現在は地デジ放送を視聴する為のUHFアンテナとして、以前はアナログ放送を視聴する為のVHFアンテナとして活用されています。
八木式アンテナの特長はシンプルな構造で素子が現れており電波を受信しやすい点です。
都心部でも山間部でも様々な環境下で使用されています。
八木式アンテナは屋根の上に設置されるイメージが強いですが、電波状況によっては破風板や屋根裏にも設置できます。
ただし屋根裏設置には高い技術が求められるケースもあるので、複数のアンテナ専門業者へ相談することが大切です。
八木式アンテナの関連記事?八木式アンテナの特徴は?メリットやデメリット、費用相場を紹介
デザインアンテナ
デザインアンテナは平面アンテナと呼ばれる事もあり、平らな形をしています。
八木式アンテナと同様に地デジ放送を視聴する為のアンテナです。
デザインアンテナの特長は洗練された見た目です。
一見するとアンテナには見えません。
さらに八木式アンテナでは開放されている素子がカバーされており耐候性に優れています。
素子は隠れていますが八木式アンテナと同等の性能があるとされています。
ただし八木式アンテナのほうが電波を拾いやすく、高さを取れる為、電波環境によっては八木式アンテナが選ばれます。
デザインアンテナを屋根の上に設置する事もありますが、壁面や屋根裏に設置する事が多いです。
デザインアンテナの関連記事?デザインアンテナの特徴は?メリットやデメリット、費用相場、失敗しないコツを紹介
BS/CSアンテナ
BS/CSアンテナとは衛星放送を視聴する為のパラボラアンテナです。
衛星放送は地デジ放送とは異なり赤道上空36,000kmから電波が送られる為、地デジの電波が届かない地域でも衛生放送を視聴する事ができます。
BS/CSアンテナには、110°BS/CSアンテナ(2K)と110°BS/CSアンテナ(4K)があります。
いずれもBS放送もCS放送も視聴できますが、2K対応のアンテナの場合、BS放送専用でCS放送には対応していないアンテナもあるので注意が必要です。
2Kや4Kの「K」はテレビ画面に映像を表示する為の画素を1,000単位で表しており、画素数が多くなる程映像が鮮明になり臨場感が増します。
BS/CSアンテナの関連記事?BSとCSの違いは?BS/CSアンテナの特徴とメリットやデメリット、費用相場を紹介
4K/8Kアンテナ
4K/8KアンテナはBS/CSアンテナと同じパラボラアンテナです。
4K/8K放送も同様に衛星から電波を受信します。
4K/8Kアンテナを設置すると、2K放送に加えて4K8K放送も視聴でき、チャンネルの選択肢が増えます。
4K8K放送には、無料のチャンネルだと
・ショップチャンネル 4K
・4K QVC
・WOWOW
・NHK 8K
等があり
有料のチャンネルには
・ザ・シネマ 4K
・J SPORTS 1~4(4K)
・スターチャンネル 4K
・日本映画+時代劇 4K
等多数あります。
ただし4K8K放送を視聴する為にはアンテナ設置だけでなく、対応するテレビ等を準備する必要があります。
4Kチューナーが内蔵されていないタイプのテレビの場合にはチューナーを設置することでテレビをそのまま利用できます。
4K/8Kアンテナの関連記事
?4K/8K対応アンテナは必要?4K8Kの視聴方法やBSアンテナとの違いを紹介
みずほアンテナに無料相談をしてみる
みずほアンテナのBS/CSアンテナは4K8K対応アンテナであり、1台のパラボラアンテナでBS/CS放送も4K8K放送も視聴できます。
みずほアンテナは中古住宅・既存住宅へのアンテナ工事の実績も多数あります。
弊社の自社スタッフが工事に伺い、技術にも料金にも自信を持っています。
ご相談は無料ですのでお気軽にご連絡くださいませ。
まとめ
以上、中古住宅・既存住宅へ引っ越す際のアンテナに関する注意点を説明してきました。
引越しは一大事であり荷物の梱包や手続きで慌ただしく、新築を建てた方でもアンテナ工事の依頼を忘れる方もいるくらいです。
中古物件はそのまま住んで使用できる印象がありますが、場合によってはアンテナの設置やメンテナンスが必要です。
特に物件の築年数が相当経っている場合には注意しましょう。
アンテナが設置されていても使用できるか不明、新しいアンテナに交換したい等、アンテナに関する事ならみずほアンテナにお任せくださいませ。
ー中古住宅のアンテナ関連記事ー