地上デジタル放送開始以降は、ワンセグサービスなど移動体向け通信環境も整いました。
現在、携帯電話やスマートフォンでも手軽にテレビ視聴が可能です。
ただし、放送される本来の画質や音質で楽しみたい場合は、しっかりした性能を持つアンテナとチューナーを接続することがポイントになります。
デジタル放送のクオリティは非常に高く、4K8K放送ともなれば大画面テレビで映画館並みの迫力を楽しむことも可能です。
そのために、部屋に不可欠なものがテレビ端子といえます。
【テレビ端子の増設工事を行うメリット】
テレビ端子を部屋ごとに設置することは、次のようなメリットがあります。
1つ目は、インテリアの雰囲気を壊さない点です。
一般に、アンテナからチューナーまでは、同軸ケーブルと呼ばれるケーブルで接続します。
部屋にテレビ端子がないと「露出配線」と呼ばれる仕上げとなり、ベランダや窓側の壁にケーブルが見えてしまいがちです。
せっかくインテリアにこだわっても、アンテナ用のケーブルが目立ってしまうわけです。
これに対し、壁の内側に配線をする「隠ぺい仕上げ」にしておけば、工賃は割高になりますが、雰囲気を壊しません。
2つ目は、テレビの置き場所の自由度が上がる点です。特に、部屋が広いときには重要になります。
テレビ端子というのは、アンテナとチューナーの中間に位置します。部屋の壁につけられていて、この端子とチューナーを同軸ケーブルでつなぐのです。
テレビ端子のすぐ近くにテレビを設置する場合は問題ないのですが、部屋の反対側に置きたいときには長いケーブルを部屋の隅に回すことになります。
つまり、広い部屋にテレビ端子が1つしかない場合は、インテリアの雰囲気を壊しかねません。
床上のケーブルをいかに隠すかについて頭を悩ませることになるのです。
部屋が広いときには、平面の対角上にコンセントを設置することが一般的ですが、その隣にテレビ端子を増設すれば、このような配線問題は解決します。
【テレビ端子の増設工事にかかる費用はどれくらい?】
テレビ端子の増設工事の相場は、最安値として1万円程度と考えてよいでしょう。
ただし、これは基本料金であり、実際は設置する環境に合わせて別途オプションが必要となる可能性があります。
合計で1万5,000円程度は用意しておきましょう。さらに、外部のアンテナからテレビ端子までの仕上げによって金額が変わります。
露出仕上げと隠ぺい仕上げがありますが、インテリアの雰囲気が重要になる住宅の居室であれば、隠ぺい仕上げとなり工賃はかさみがちです。
また、建物の構造も金額に影響します。
構造が木造で壁が石こうボードなどのパネル貼りなら、パネルを外して間柱の部分にテレビ端子用のボックスを設置する工事となります。
これが鉄筋コンクリート造になると、大がかりな工事になることが考えられます。
なぜなら、増設工事での隠ぺい仕上げにするには、コンクリートの壁に貫通孔を開けたりする必要があるからです。
そうなると、テレビ端子の増設工事とは別の工事となり、桁違いの金額が必要となるかもしれません。
このようなケースで費用を抑えるには、いくつかの業者に見積もりを依頼して、比較する「相見積もり」という作業が必須になります。
【ここに注意!業者選びのポイント】
業者選びには、まずインターネットを使いましょう。
複数の業者のホームページにアクセスして、工事の内容とそれに必要な金額がわかりやすく書かれているかをチェックします。
相場と比べてあまりにも安い金額が提示されている場合には、別料金となるオプションサービスの必要性についてもよく確認してください。
特に、「出張費などが別料金になっていないか」「時期が限定された料金体系になっていないか」という点がポイントです。
ホームページで数社に絞ったら、あとは直接連絡して見積もりを取ります。
複数の業者の営業担当者と話してみれば、それぞれの特徴や問題点がわかるはずです。
その際には、自分の家が「どのような構造になっているのか」について、あらかじめ確認しておきましょう。
何も知らないと足元を見られる可能性もあります。最終的には料金の安さだけでなく、問題があった場合のアフターサービスの可能性を考慮して、業者を選びましょう。
【テレビ端子の工事は信頼できる業者に依頼しよう!】
外観を気にしないのであれば、自分で工事するのが最も安上がりかもしれません。
ただし、居室に設置したテレビ用のアンテナ配線であることを考えると、仕上げの美しさは最優先事項のひとつといえるでしょう。
おしゃれなインテリアを維持しながらテレビ端子の増築を行うには、それなりのスキルが要求されます。
材料もそうですが、それを加工する工具も必要です。
それらをすべて準備することを考えると、信頼できるアンテナ工事業者に任せることは、コストパフォーマンスの面からも合理的な選択といえるでしょう。
また、アフターサービスの面からもメリットが大きいといえます。
もし、問題が起きたときにも良心的な業者であれば迅速な対応が期待できます。
こう考えると、プロに任せる安心感は長い目で見て賢い投資なのです。
最終的に自分でやるとしても、とりあえず工事業者に相談だけでもしてみることをおすすめします。
※写真は実際弊社で行った工事の様子です。※