地上デジタル放送を受信していると、映りが悪いと感じることもあるでしょう。
それが度々続く場合には対策が必要ですが、その対策の1つがアンテナ角度の調整です。
この調整作業を自分でやってみたいと思っている人もいるでしょう。
しかし、大部分の人にとってはアンテナの調整作業は経験が少ないものです。
やり方がまったくわからないという人も少なくありません。
ここではそのような人のために、地デジアンテナの調整を自分でする時に必要な知識をまとめます。
テレビ映りが悪い際はエラーコードの確認
エラーコードとは?
エラーコードとは、テレビやアンテナ・ケーブルなどに不具合が発生した時に、不具合の原因が種類別に表示されるコードを指します。
テレビ画面に表示されたコードを元に、不具合の原因を探り対処することで再び地デジ放送を視聴できるようになります。
例えば「E100」のコードが表示された場合、B-CASの読み取りエラーを表しておりカードの挿し直しにより解決することがほとんどです。
このほかにもエラーコードの種類は沢山ありますが、一言でいえばエラーコードは不具合の原因を教えてくれるメッセージのようなものと言えます。
エラーコードが出たらアンテナを確認
前述で、エラーコードには複数種類があるとお伝えしましたが、以下エラーコードが表示された場合には、アンテナの不具合を疑い確認が必要となります。
・E202:信号が受信できません、アンテナの設定や調整を確認してください。
・E201:信号レベルが低下しています。
上記二つのコードは、アンテナの不具合を表すメッセージです。
アンテナの向きのずれ、アンテナ線の接続不良、お住まいの受信環境に問題が発生している可能性が考えられる為アンテナの確認が必要となります。
テレビアンテナの種類を確認
前述でご紹介した「E202」「E201」などアンテナの不具合を表すエラーコードが表示されたり、テレビ画面の映りに乱れが生じた場合、アンテナの種類によって対処が変わるため、まずはアンテナの種類を確認しましょう。
こちらでは、一般的なアンテナの種類についてご紹介します。
【地デジ専用アンテナ】
アンテナの名称 | アンテナ写真 | 特徴 |
八木式アンテナ |
・魚の骨のような見た目 ・屋根や外壁、屋内等どこでも設置可能 ・受信性能が高く電波が弱い地域向き |
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デザインアンテナ | ・長方形型のシンプルデザインで外壁になじむ見た目 ・主に外壁や屋根裏などに設置 ・家の外観を損ねたくない人におすすめ |
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ユニコーンアンテナ | ・ポール形状のシンプルデザイン ・主に屋根の上に設置 ・高さが必要な場合でも設置可能 |
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室内アンテナ | ・屋内設置専用 ・主にサイズが小型で、設置工事なしで設置可能 ・電波が強い地域向き |
【衛星放送専用アンテナ】
アンテナの名称 | アンテナ写真 | 特徴 |
BS・110°CSアンテナ | ・お皿のような円盤型 ・主に屋根やベランダ、外壁に設置 ・全国一律で南西110度に向けて設置 |
テレビアンテナの正しい向きは?
地デジアンテナの場合
まずは地デジ電波を発信している基地局の方向を調べ、デザインアンテナの場合には本体以の表面を、八木式アンテナの場合には一の字の方を基地局がある方向に向けます。
アンテナの表面を少しずつ動かしながら、アンテナレベルが最大限になる方向で固定します。
基地局がある方向に向け設置しているのに電波がうまく受信できない場合には、基地局から設置場所までの間に電波を遮る障害物となるものがある可能性も考えられます。
設置時には問題が無くとも、季節によって周辺の木々が生い茂り障害物となる場合もあります。
その場合、電波を遮るものは排除、もしくは設置場所を移すなどの対策が必要となります。
室内アンテナの場合には、デザインアンテナ同様アンテナの表面を、電波塔に向くように調整します。
室内アンテナはメーカーや種類によっては、向きを気にすることなく設置できるものもあります。
いずれも電波を遮るものがすくない窓際に設置することがほとんどで、アンテナレベルを確認しながら向きや場所を調整します。
BS・CSアンテナの場合
BS・CSアンテナは衛星放送専用のアンテナで、衛生放送という名の通り宇宙に浮かぶ衛生から電波を受信します。
BS・CSアンテナは南西方面に向けて設置し、南西方面合わせる角度や向きは地域によって異なります。
地デジアンテナの場合にはおおよその向きでも電波を受信できますが、BS/CSアンテナの場合には1ミリでも角度がずれてしまうと上手く電波を受信できなくなります。
従って、角度を正確に調整する必要があります。
その為、アンテナ設置はもちろんエラーが発生した際の方向調節も細かな調整が必要になります。
電波レベルを確認しながらミリ単位での調整が必要となりますので、専門の業者への対応をお願いすることをお勧めします。
テレビアンテナの正しい向きを確認する方法
周囲のアンテナの向きを確認する
最も簡単なのは、周囲のアンテナの向きを確認し参考にする方法です。
近所の屋根の上を一通り確認し、その中で最も多く向いている方向に電波塔があると考えられます。
周囲と同じ方向にアンンテナを向けて設置してみましょう。
しかし一つ注意点として、電波強度の高い地域では角度が違っても受信できるケースが多く、電波塔がない方向に向けられている可能性もあります。
こちらの方法は簡単な方法ですが、正確な角度を導ける手段ではありませんので、実際にアンテナを設置するとなると方向調整には時間が要するでしょう。
発信所の位置を確認する
地デジアンテナは電波の発信所に向ける必要があります。
そのため発信所の位置の把握が必要です。
発信所の方向にアンテナを向けて設置したら、実際の映りを確認し微調整をします。
方向は正しくても、障害物が原因でうまく受信できないこともあります。
その場合は設置場所を変える、除去できる障害物なら除去するなどの対策が必要です。
住んでいる地域によっては、2つ以上の発信所からほぼ等距離に位置することもあるでしょう。
その場合は少しでも近い方にアンテナを向け、もし映りが悪ければもう片方も試してみましょう。
中間の障害物の有無によっては、遠い方に向ける方がよく映る可能性もあります。
発信所の位置を調べるには?
発信所の位置を調べる方法は主に2つあります。
1つは総務省サイトで案内されているA-PUBで調べることです。
もう1つの手段として、発信所の位置を調べられるスマホアプリもあります。
1つ目のA-PABは地図や郵便番号、住所などから発信所を探すことができます。
2つ目のスマホアプリは、現在地を入力するかGPS機能をONにするだけで使えるものです。
現在地と最寄りの発信所を結ぶ線が地図上に表示されます。
この2つ方法がもっとも正確かつ簡単な方法です。その他の大雑把な方法としては、近隣の家にある地デジアンテナの方向を見ることも役立ちます。
同じ方向に向けて、あとは微調整をするというやり方でもいいでしょう。
アプリなどで調べる
最近では、スマートフォンを使って地上デジタル放送やBS・CS放送の電波方向を探せる便利なアプリがいくつかあります。
「地デジアンテナ調整」というAndroid端末用アプリでは、位置情報サービスを利用し、電波塔から設置するご自宅までの距離や角度を地図上で表し確認できます。
地デジだけでなく、BS・CS放送の電波方向を探したいという方には「BSコンパス」というアプリが便利です。
こちらはAndroidとiPhoneの両方に対応しており、CS・BS放送の電波を受信するための衛星の方向や仰角、その間での障害物の有無を確認できます。
方向だけでなく、CS・BSアンテナの取り付け方についても解説されるアプリなのでチェックしてみてはいかがでしょうか。
テレビアンテナの角度を調整する方法
地デジアンテナの角度を調整する方法
まずは地デジ電波を発信している基地局の方向を調べ、デザインアンテナの場合には本体以の表面を、八木式アンテナの場合には一の字の方を基地局がある方向に向けます。
アンテナの表面を少しずつ動かしながら、アンテナレベルが最大限になる方向で固定します。
基地局がある方向に向け設置しているのに電波がうまく受信できない場合には、基地局から設置場所までの間に電波を遮る障害物となるものがある可能性も考えられます。
設置時には問題が無くとも季節によって周辺の木々が生い茂り障害物となる場合もあります。
その場合、電波を遮るものは排除、もしくは設置場所を移すなどの対策が必要となります。
室内アンテナの場合にはデザインアンテナ同様アンテナの表面を、電波塔に向くように調整します。
室内アンテナはメーカーや種類によっては向きを気にすることなく設置できるものもあります。
いずれも電波を遮るものがすくない窓際に設置することがほとんどで、アンテナレベルを確認しながら向きや場所を調整します。
BS・CSアンテナの角度を調整する方法
BS/CSアンテナは前述でもお伝えした通り、南西方向に向けて調整します。
BS/CSアンテナの方向調整は、天気が悪いと電波が弱くなるので晴れている日に行なうことをおすすめします。
まずは、おおまかな方向で構いませんので衛星の方角にアンテナを合わせます。
そのあとにアンテナの仰角を5秒ごとに1度ずつ動かして調整していきます。
アンテナレベルを確認しながら調整を行い、一番数値が高い位置で固定します。
前述でもお伝えした通り、BSCSアンテナは1度でもずれると映りませんので細かく角度を変えながら慎重に調整していきましょう。
地デジアンテナ同様、障害物によりBSの電波が遮られ電波が受信できないケースもあります。
自分でテレビアンテナを調整する際の注意点
注意点①:落下でケガをしないようにする
アンテナの調整を行う際、最も注意すべきは身の安全の確保です。
室内アンテナ以外は、ほとんどが高所での作業となるため危険との隣り合わせです。
2階建て場合、一般的に屋根から地上までは7mから9mほどの高さとなります。
その為、足を滑られ落下でもするようなことがあれば大惨事です。
作業される方の身の危険はもちろん、ご自宅や周辺の建物への被害や通行人を巻き込むケースも考えられます。
取り返しのつかないことにもなりますので、十分な身の安全を確保した上で作業することが大切です。
また、工具や部品などの管理もしっかりと行いましょう。
作業中に手を滑らせ工具や部品を落としてしまった場合にも大惨事につながることも考えられますので、最大限の注意を払い作業を進めましょう。
注意点②:必ず2人で作業する
アンテナ調整は、2人での作業が理想的です。
手元にレベルチェッカーなどない場合には、テレビの画面でアンテナレベルを確認しながら作業を進めることになります。
すると、角度を調整するたびにテレビ画面を確認する必要が生じ、余計な移動が増えます。
先程お伝えした通り、アンテナの設置場所はほとんどが高所作業になるため、移動が多い分、落下するリスクは高まります。
安全に作業を進めるためにも、一人はアンテナの調整のため屋根上など設置場所で待機、もう1人はアンテナレベルの確認のためテレビ画面の前で待機しお互いが意思疎通しながら作業を進めましょう。
安全を確保するためでもありますが、効率よく作業を進めるためにも役割分担は大切です。
注意点③:固定器具の破損やサビ具合の確認
アンテナの調整を行う際、アンテナを固定している器具や部品の確認も合わせて行いましょう。
アンテナの固定に使用されるアンテナマストや屋根馬、サイドベースなどが破損していたり錆つきが進んでいる場合には交換する必要があります。
アンテナの向きを調整し直しても固定器具に不具合があればまたすぐに角度はズレてしまいます。
固定器具の劣化を放置しているとアンテナの転倒や落下の危険性もありますので見逃さずに対応が必要です。
固定部品を交換する場合、ビス止め用の工具はもちろん穴あけ後のコーキング剤なども揃える必要があります。
これらはホームセンターなどでも購入できますが、使用できるスキルや知識がない場合には専門業者に交換や修理を依頼することをお勧めします。
アンテナの角度を調整してもテレビ映りが悪いときは?
地デジアンテナの角度を正しく設定していて、障害物もないのに電波が弱いということもあるでしょう。
この原因は主に3つあります。
もともと電波が弱い立地であること、複数のテレビで視聴していること、アンテナからテレビまでの距離が長いことです。
1つ目の立地が原因の場合は、ブースターを使うのが特に有効な対策となります。
ブースターは電波を増幅させるものです。
弱い電波でも増幅させれば映りが良くなります。
2つ目の複数テレビでの視聴が原因の場合も、やはりブースターが有効です。
最初の電波を強くすれば、分配しても弱まりません。
3つ目のアンテナとテレビの距離については、通常大きな影響はありません。
しかし、自宅があまりに広い場合や、非効率な配線をしている場合には影響があります。
アンテナやテレビの位置と配線を変えられない場合も、ブースターで補うといいでしょう。(※5)
ブースターを使う場合、やみくもに電波を強くすればいいわけではありません。
電波を強くしすぎると逆に映りが悪くなったりします。(※6)
そのため、今の自宅の環境で電波の強さがどのくらい足りないのか、正確に把握することが必要です。
把握した上で、適度なレベルで電波を強くしてくれるブースターを選びます。
迷った場合は「自動利得調整機能」がついているブースターを使うのがいいでしょう。(※7)
利得とは増幅力の強さのことです。この強さを自動的に調節してくれるブースターであれば、電波が強くなりすぎるリスクはありません。
その他、複数のテレビにつなぐ場合は定格出力の大きさも重要になります。
定格出力は「この大きさの電波までは高品質で出せる」という数値です。
利得の意味は「大きくすること」ですが、定格出力の意味は「大きくしたものを無事に出すこと」となります。
大きな電波を出す場合は出力端子に負担がかかりますが、それにどこまで耐えられるかという数値が定格出力になります。
複数のテレビを使う場合、電波を大きくすることが必要です。
これは利得の大きいブースターを使えば可能となります。
しかし、せっかく電波を大きくしても出力端子がその負担に耐えられなければ、ブースターの外に全放出することができなかったり、できてもノイズが混ざった状態になったりします。
このため、複数のテレビを使う人はブースターの定格出力を見ることも必要なのです。
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☞【テレビの配線工事は自分でできる?費用相場やアンテナ端子までの経路を紹介!】
テレビアンテナの調整はプロに依頼しよう
地デジアンテナ調節を自力でやるのは難しいものです。
一度は正しく調整できても、その後も安定した受信ができるとは限りません。
素人ではプロのような高い技術でアンテナを固定することができないため、少しの強風でもアンテナがずれてしまうことも多いのです。
特に設置する場所やアンテナの種類によっては、倒壊などのリスクもあります。
不測の事態を回避するためにもアンテナの設置や調整はやはりプロに任せるべきです。
業者のホームページを多めにチェックして複数の業者から見積もりを取り、一番信頼できる業者に工事を依頼するようにしましょう。
みずほアンテナについて
テレビが映らなくなってしまった場合、様々な原因が考えられます。
みずほアンテナでは、即日で調査に駆けつけることも可能です。
尚、豊富な経験や高い技術を兼ね備えた完全自社雇用のスタッフがお伺いしますので、安心してお任せください。
実際に専門スタッフがお伺いし確認した上で、アンテナの方向調整や立て直し、ブースターの交換などお客様と相談しながら解決方法をご提案させて頂きます。
応急処置ではなく、再び不具合が発生しないよう根本から改善させていただきますのでご安心ください。
お電話口で詳しい状況を確認し、お見積りを出しご納得いただいた上で日程調整へと進ませて頂きます。
施工事例
こちらでは、施工事例をご紹介させて頂きます。
ご紹介する事例は千葉県袖ヶ浦市S様邸です。
テレビの映りが悪くブースターを交換されたそうですが、残念ながら改善せずご相談を頂きました。
お客様のご要望により、即日で現地調査にお伺いさせて頂きました。
屋根上に八木式アンテナが設置されていましたが、設置から15年程経過していました。
アンテナの劣化が進んでおり、新たなアンテナに交換させて頂きました。
既存のアンテナは上記のように撤去し、処分も承りました。
今回は前回と同様、八木式アンテナを屋根上に設置させて頂きました。
尚、BS/CSアンテナに関しては交換せずに既存の物をそのまま使用されることをご希望されました。
新たな八木式アンテナに交換し、無事地デジ放送も視聴できることを確認し工事終了となりました。
まとめ
こちらの記事では、テレビアンテナの角度調整の方法や作業時の注意点についてもご紹介させて頂きました。
地デジアンテナの角度調整は、その方法やコツを知っていればそう難しい作業ではありません。
アンテナに故障や劣化などが生じていなければ、ご自身で解決することもできるでしょう。
しかし基本的には高所作業になりますので、命に関わる危険も潜んでいます。
決して無理はせず、少しでも心配要素がある場合には専門業者に依頼するようにしましょう。
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