テレビを見るためにはアンテナが必要ということはわかっていても、いざ家を新築してみると、後回しになってしまうのがアンテナの設置です。
賃貸住宅に住むのであれば、アンテナコンセントにケーブルを接続すればテレビが見られますが、新築の家にアンテナコンセントがあっても、アンテナ本体を設置しなければ見られないという基本的なことをつい忘れがちです。
ここでは、新築の家でアンテナを自費で設置するならどんなアンテナがよいかを解説します。
【アンテナ設置とケーブルテレビならどっちにする?】
アンテナを設置してテレビを見るか、ケーブルテレビに加入するかは、どのような場所に住んでいるか、どんな番組を主に見るか、生活時間帯はどうかといった点をトータルに考えて選ぶ必要があります。
アンテナ設置とケーブルテレビにはそれぞれ得意分野と苦手分野があるからです。
たとえば、仕事などでほとんど家にいなくて、有料放送もまったく見ないという人がケーブルテレビに加入すると、アンテナ設置のお金はかからなくても、ケーブルテレビの料金を払う方が高くついてしまう可能性があります。
一方で、ビルに囲まれた地域や山間部などでは一般的なアンテナを立ててもうまくテレビが映りません。
ケーブルテレビの一択であれば迷わずケーブルテレビに加入することになります。
つまり、どのような生活環境かということをまず考えてからでなければ、アンテナ設置かケーブルテレビかは選べません。
両方が選択肢に上がるようになって初めて、それぞれのメリットデメリットを比較して選ぶことになります。
【ケーブルテレビのメリットとデメリットとは?】
ケーブルテレビに加入する第1のメリットは、テレビの映りが天候によって左右されにくいという点です。
個人宅にアンテナを設置した場合、暴風雨や大雪などでアンテナも向きが少しでずれてしまうことがあります。
それが原因でテレビの映りが悪くなっても、屋根の上に設置していることもあり、素人の手では簡単に調整できません。
しかし、ケーブルテレビならアンテナもケーブルも会社が監理しているため、安定した状態で視聴できます。
また、専門チャンネルが充実しているのもケーブルテレビの特徴です。
スポーツやアニメ、映画などを特定の分野について専門に放送するチャンネルが多いため、特定分野に興味があると人にはメリットといってよいでしょう。
しかし、一概にケーブルテレビといっても会社によってサービス内容がバラバラです。
契約する前に地上波だけのCATVなのか、BS/CS放送も見られるのか、インターネットは使えるのかなどを調べておく必要があります。
加入してから要らないと感じても、すぐには解約できなかったり、解約料が高く設定されていたりすることがあります。
【アンテナ設置のメリットとデメリットとは?】
テレビを見るためにアンテナを立てるメリットは、何と言ってもランニングコストの安さです。
最初の導入に費用は必要でも、ランニングコストは毎月無料ですから、コストパフォーマンスは良いと言えます。
有料放送を見たいという人でも、自分が本当に見たいチャンネルだけに絞って視聴契約を結べば安く済みます。
ケーブルテレビの場合、見ていないチャンネルや番組にも料金を支払うことになります。
その点がもったいないと感じる人にはアンテナを設置した方がメリットはあると言ってよいでしょう。
また、ケーブルテレビと比べると、余分なチューナーを必要としない分だけ、テレビ周りがすっきりします。
さらに、引越しなどが必要になったときでも、事務手数料や解約撤去費用など余分な料金が発生せずに済みます。
一方、最大のデメリットは地形的な影響を受けやすいことです。
指向性アンテナで受信するため、一定方向の電波を受信できない場合はいくらアンテナを立てても見られません。
【おしゃれな外観にこだわるならデザインアンテナも検討を!】
新築の家にアンテナを立てるなら、魚の骨みたいな八木アンテナは嫌だという人もいるのではないでしょうか。
せっかく外観にこだわって家を建てたのに、屋根の上に従来型のアンテナを立てたら台無しになってしまうということで、ケーブルテレビを選んでいた人もいるようです。
そのような理由であれば、デザインアンテナで解決できるかもしれません。
アンテナメーカー各社からは八木アンテナに変わるフラットなデザインアンテナが出ています。
最新のデザインアンテナは従来型のデザインアンテナよりも小型になっており、感度は八木アンテナや高感度UHFアンテナとほぼ同レベルです。
平面ででっぱりも少ないため、八木アンテナが苦手とする暴風雨や雪の影響を受けにくいのも魅力です。
新築の場合多いのが壁面設置ですが、電波の強度によってはベランダフェンスへの設置や別途ポールを立てての設置も可能です。
【設置は電波状況を見極めよう】
アンテナの設置をすべきかどうかは電波状況によります。
電波状況が悪い場所では、アンテナを設置するという選択肢がなくなるからです。
アンテナを立てられる電波状況であれば、イニシャルコストとランニングコストを計算したうえで、アンテナ設置にするかケーブルテレビにするかを考えればよいでしょう。
デザインアンテナにするかどうかは、アンテナの設置費用も併せて考える必要があります。
かつてに比べればデザインアンテナの感度が高くなっているので、アンテナ設置が可能な電波状況であればデザインアンテナでもまず問題はありません。
カラスやハトなどによる鳥の害が多い地域ではフラットなデザインアンテナを選んだほうがよい場合もあります。