「テレビアンテナにブースターは必要なの?」
と疑問に思う方が多くいらっしゃいます。
ブースターとは増幅器のことで、電波を強くする機器です。
ブースターの必要性を判断するにはまず機器の知識を持っておくといいでしょう。
知識があればブースターが必要かどうか正しい判断できます。
ここではテレビアンテナの設置を検討している人のためにブースターの必要性や注意点、選び方のポイントなどを説明します。
テレビ用アンテナのブースターとは?
ブースター【booster】とは“押し上げるもの”の意を持っています。
ここでは“電波の信号を強める働きを持つ機器”のことであり増幅器とも呼ばれています。
スカイツリーなどの電波塔から送られた電波を自宅のアンテナがキャッチしてテレビまで届けます。
ブースターはアンテナが受信した電波を強くする働きを持っています。
ブースターは電波が弱い地域(弱電界地域)で使用されるイメージがありますが、他にもテレビを複数設置している場合などにも設置されます。
ブースターはいらないって本当?
ブースターは、電波数値が良好であればブースターがいらないケースもあり、必ず付けなければいけないというものではありません。
しかし、電波数値が良好な場合でも、天候などの影響でテレビが一時的に視聴できなくなったり、映りが悪くなる可能性はありますので、アンテナを使用するほとんどの家庭で設置されています。
また、複数台のテレビで視聴する場合にも、各テレビで視聴するため電波を分配することにより電波が減衰してしまいます。
このような時、ブースターは受信した電波を増幅させる機能で、常に安定した電波で視聴できるようにしてくれます。
ブースターは、もともとの電波数値だけでなくあらかじめ電波推移を踏まえて設置を判断します。
アンテナ設置時にブースターを一緒に付けることによって、不具合が発生した際の時間やコストを抑えることができますので、ブースターの設置に関しては業者に相談しながら、前向きに検討することをおすすめします。
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ブースターの設置が必要なケースとは
ブースターが必要なケースは主に3つあります。
①電波塔と自宅の距離が離れている
まず1つ目は電波塔と自宅の距離関係にあります。
電波塔と自宅の距離が離れるほど受信できる電波は弱くなります。
例として、関東であればスカイツリー直下とも言える台東区ではブースターがなくとも安定して電波が受信できます。
肉眼でスカイツリーが確認できない地域ではブースターが必要な可能性が高いでしょう。
②複数のテレビで観る
2つ目は複数台のテレビで視聴するために電波をそれぞれの部屋に分配しているケースです。
各部屋に配線を分配すれば、その分受信した電波が弱まるので、増幅するためにブースターが必要です。
しかし分配すれば必ずしもブースターが必要になるとは限らず、元の電波の強さによっても異なります。
テレビ1台でもブースターが必要な場合もあれば、3台以上でも不要な場合もあります。
理由は次の3つ目にあります。
③アンテナとテレビの距離が離れている
3つ目はアンテナとテレビの距離があるケースです。
アンテナは基本的に自宅の2階や3階などの高所に設置します。
そこから1階や2階のリビングに行くまでの道のりで電波は減衰していきます。
そのためアンテナ付近の受信値は十分であっても、部屋にあるテレビの受信レベルは低いといった事象が発生します。
何mという具体的に決まった距離はありませんが、2階以上の戸建てであればブースターが必要な距離であることが比較的多いです。
①~③のケースを紹介しましたが、上記でも述べたように一般的な戸建てであれば安定的にテレビを見るためにブースターは必要な可能性が高いです。
テレビアンテナ用のブースターの種類を比較
ブースターには「屋内用」としてテレビのそばなど室内に設置するタイプと、「屋外用」としてアンテナのそばなど家の外に設置するタイプがあります。
ここでは「屋内用」と「屋外用」それぞれの概要や特徴をご紹介します。
1:屋内用
(画像引用:日本アンテナ)
「屋内用」はブースターの電源部と増幅部が一つになっている電源・増幅部一体型です。
テレビの映像がたまに乱れるときがあったり電波の弱い地域に住んでいたりするときの応急処置として重宝されています。
設置がとても簡単で、家電や配線が不得意な方も手が出しやすいです。
「屋内用」のブースターテレビの背面にある差込口とブースターをケーブルで繋ぐだけで使用できます。
ケーブルと繋いだあとブースターはテレビの近くに設置したままで問題ありません。
ただ増幅の効果は低めですので、電波が若干弱いときに有効的です。
「屋外用」ではなく「屋内用」で十分だろうと購入しても、期待通りの効果を得られない可能性があることに注意が必要です。
2:屋外用
「屋外用」はブースターの電源部と増幅部が分かれた電源分離型です。
テレビの映像がほとんど映らない状態のときに使用されます。
また電波が弱い地域に住んでいたりテレビを複数台所有していたりする場合にも使用されます。
電源部、増幅部それぞれ設置する必要があります。
電源部は「屋内用」のブースターと同様にテレビの近くに設置しテレビと繋ぎ、増幅部はアンテナの近くに設置しアンテナと繋ぎます。
アンテナが高所にある場合、「屋外用」ブースターの設置も高所作業にあたるので、アンテナ専門業者に依頼することをおすすめします。
「屋外用」のブースターは大きい増幅を望めます。
専門業者に依頼すると最大利得を得られるように設置してもらえる点も安心です。
3:地デジ専用
ブースターには、「UHF(地デジ)専用ブースター」から「BS/CS対応ブースター」「UHF+BS/CS対応ブースター」「4K8K対応ブースター」などその種類は豊富です。
「UHF(地デジ)専用ブースター」は、地デジ電波として使用される極超短波=UHF電波のみを増幅するブースターです。
地デジアンテナのみを設置していて、今後衛星放送の視聴予定がないご家庭や地デジの弱電界・中電界エリアなど地デジの電波状態が良くない地域で使用されます。
ブースターの中でも、UHF(地デジ)専用ブースターは比較的低価格で購入できます。
4:地デジ+BS/CS対応
「UHF(地デジ)+BS/CS対応ブースター」は、一台でUHF(地デジ)とBS/CSのすべての電波を増幅できる機種です。
地デジアンテナとBS/CSアンテナ両方を設置している場合に使用されます。
尚、2018年12月より、BS/CS放送において4K、8Kに対応する「新4K8K衛星放送」がスタートしました。
4K8Kチャンネルの電波を増幅するためには、4K8Kの電波に対応したブースターが必要となりますので注意が必要です。
ブースターが必要か判断する方法
ブースターが必要かどうか判断する手段として、以下3つの方法が挙げられます。
・自宅と電波塔かたの距離を確認
・近隣の家を確認
・アンテナ専門業者に電波特定を依頼する
これらの方法について詳しくご紹介していきます。
自宅と電波塔からの距離を確認する
自宅と電波塔からの距離は、テレビ電波の感度の強さと大きな関係があります。
地デジ電波送信塔との距離が近いエリアを強電界地域と呼び、その距離が遠ければ中電界地域・弱電界地域と分かれます。
中電界地域・弱電界地域では、ブースターの設置が必要となるケースが増えます。
尚、電波の感度の強さは周辺に電波の遮蔽物があるかないかなども関係してきます。
ご自宅がどのエリアに属するかのおおよその目安は、一般社団法人放送サービス高速化推進協会のWebサイト上の「放送エリアのめやす」でも確認できます。
近隣の家を確認する
先述で中電界地域・弱電界地域では、ブースターの設置が必要となるケースが多いとご紹介しましたが、近隣のお宅であれば電波状況はおおよそ同じであると考えられます。
ブースターは屋外用もあり、その場合アンテナ付近に設置されているケースがあります。
近隣の家のアンテナ付近にブースターが見受けられた場合、基本的にはブースターが設置であると判断できます。
アンテナ専門業者に電波測定を依頼する
一番確実な方法は、アンテナ専門業者に電波測定を依頼することです。
ブースターの必要有無は電波状況に加え、視聴するテレビの台数などによっても変わってきます。
最近では、電波測定の依頼を無料で行っているアンテナ専門業者も多いです。
アンテナ専門業者であれば、担当エリアの電波状況を熟知しており、電話先で確認できる場合もあります。
ブースターの設置は費用もかかりますので、気になる方は一度問い合わせて相談されることをおすすめします。
ブースターを選ぶ時のポイント
ブースターには様々な種類がありますがここでは7つのポイントに絞ってご紹介します。
①屋内型か屋外型か
②雑音指数(NF)
③利得(dB)
④定格出力(dBμV)
⑤VSWR(インピーダンス)
⑥UHF対応かBS/CS対応か4K8K対応か
⑦家庭用か共同通信用かケーブルテレビ用か
選ぶポイント①屋内型か屋外型か
ブースターには「屋内用」として電源部と本体部が一体になっているタイプと、「屋外用」として電源部と本体部が分離しているタイプがあります。
「屋内用」と「屋外用」それぞれ使用する状況などが異なるので、どちらが必要な状況かを見極めて選びましょう。
各タイプの詳細は前述した通りですが、「屋内用」ブースターは簡易な現象に対応するもので設置も簡単で個人での購入や設置に向いています。
「屋外用」は高所での作業になる場合が多く、テレビがほとんど映らないような状態であればアンテナ専門業者へ設置を依頼することがおすすめです。
選ぶポイント②雑音指数(NF)
ブースターの「雑音指数(NF)」はアンテナ、テレビやブースターで発生するノイズを数値化したものです。
アンテナで受信した電波がノイズの影響をどれくらい受けているかを表しています。
「雑音指数(NF)」が低いブースターほどノイズの影響が少なく、受信した電波の質を落とさずにテレビまで届け、テレビを快適に見ることができます。
つまり「雑音指数(NF)」の数値が低いほど影響を受けづらく高性能のブースターであるといえます。
性能が上がると料金も比例して上がるかも知れませんが「雑音指数(NF)」が低いものを選ぶとブースターの効果をより期待できるでしょう。
選ぶポイント③利得(dB)
「利得(dB)」はブースターが増幅できる電波信号の大きさを示し、ゲインと呼ばれることもあります。
大きさの単位はdBで表され、数値が大きくなるほど電波をより強く補強できます。
「利得(dB)」は大きければ大きいほどいいということではなく、自宅の状況に合うに「利得(dB)」のブースターを選ぶことが求められます。
例えば分配器の有無、分配器を使用している場合はその分配の数、同軸ケーブルの長さなどによります。
高い「利得(dB)」のブースターを正しく設置しても改善しないとき、そもそもアンテナの受信環境が悪いことも考えられます。
選ぶポイント④定格出力(dBμV)
「定格出力(dBμV)」とはブースターが出力できる映像信号の最大レベルを表しています。
「定格出力(dBμV)」の数値が大きいほどブースターの出力可能である最大レベルが大きくなり高性能のブースターでああるといえます。
映像信号を安定して送信するためには信号のレベルを定格出力の範囲内に収める必要があります。
例えば“利得30dBのブースター”に“テレビの電波75dB”が入力された場合、単純に足すと出力が105dBになります。
このときブースターの「定格出力(dBμV)」が100dBだった場合、許容範囲を超えているためにテレビ映りが悪くなる可能性があります。
「定格出力(dBμV)」の数値が大きいものを選ぶと安心です。
選ぶポイント⑤VSWR(インピーダンス)
本来「インピーダンス」は交流回路で電流の流れにくさを表す量のことで、単位はΩ(オーム)で表されます。
「VSWR」はvoltage standing wave ratioの略で電圧定在波比と訳されます。
電圧定在波比(standing wave ratio)は交流の伝送線路における進行波と反射波の関係を示す数値で、電圧の比を表すときに「VSWR」と呼ばれます。
アンテナの定在波比の測定は必要不可欠です。
テレビブースターに関して「VSWR(インピーダンス)」の数値が1に近いほど電波を効率よく伝送できます。
従って「VSWR(インピーダンス)」の数値が1に近い種類を選ぶとブースターの効果をより期待できるでしょう。
選ぶポイント⑥UHF対応かBS/CS対応か4K8K対応か
ブースターは受信する電波によって「UHF対応かBS/CS対応か4K8K対応か」などに分けられます。
現在も今後も地デジ放送しか視聴しない場合にはUHFのみに対応したブースターでもいいかもしれません。
しかしBS/CS放送や4K8K放送(3224MHz)をいずれ視聴したいと考えている場合にはUHF・BS/CS・4K8Kすべてに対応している万能ブースターを選んでおくと安心です。
当面視聴の予定がなくても将来的にBS/CSアンテナを設置したり4K8K放送(3224MHz)を視聴したりした場合、ブースターを設置し直す必要に迫られるかも知れないためです。
なお4K/8K放送(3224MHz)の視聴にはBS/CSアンテナの他にも対応するテレビやケーブルなども必要になります。
選ぶポイント⑦家庭用か共同通信用か
上記の選ぶポイントではブースターの詳細な点について触れてきましたが、そもそもブースターは「家庭用か共同通信用か」で大きく分かれます。
家庭用は主に一般住宅で使用されます。
前述した屋内用や屋外用いずれもあり、屋外用のブースターは防水設計になっていることがほとんどです。
UHF対応や、BS/CS・4K8Kもあわせて対応する種類もあります。
共同受信用ブースターはアパートやマンションなどの集合住宅、ホテルや公共施設などの大型建物などにおいて複数の人が共同で受信するときに使用されます。
使用目的は家庭用と同様でテレビ信号の伝送レベルを補強するものです。
テレビの分配器の取り付け方法は?
ブースターの電波増幅は分配後の減衰した電波であっても問題なく働きますが、分配器を複数使用している場合でも、ブースターと両方組み合わせることでトラブルなくテレビを見ることができます。
分配器はテレビと壁のアンテナ端子の間に設置します。
主な手順は以下の通りです。
・分配器に備わっている同軸ケーブルを壁のアンテナ端子に差し込む
・別の同軸ケーブルを分配器の出力端子とテレビの入力端子と繋ぐ
・別の同軸ケーブルを分配器に繋ぐときはナットをクルクルと回して取り付ける
2つのケースに分けて以下でさらにご説明します。
1:アンテナ端子が1つの部屋にテレビを複数台設置
アンテナ端子が一つある部屋にテレビを複数台設置するときの分配器の取り付け方法です。
・壁のアンテナ端子と分配器を繋ぐ
・分配器はテレビの台数分の分配が備わっている種類を選ぶ
・分配器の出力端子と各テレビの入力端子とを同軸ケーブルで繋ぐ
・チューナーを利用する場合にはチューナーもテレビ同様に繋ぐ
・別の同軸ケーブルを分配器に繋ぐときはナットをクルクルと回して取り付ける
・同軸ケーブルは人やペットが触らないように部屋の端に寄せるなど工夫して配置する
2:アンテナ端子が無い部屋にテレビを設置
アンテナ端子がない部屋にテレビを設置するときの分配器の取り付け方法です。
・壁のアンテナ端子がある部屋に分配器を設置する
・壁のアンテナ端子と分配器を繋ぐ
・分配器はテレビの台数分の分配が備わっている種類を選ぶ
・分配器の出力端子と各テレビの入力端子とを同軸ケーブルで繋ぐ
・チューナーを利用する場合にはチューナーもテレビ同様に繋ぐ
・別の同軸ケーブルを分配器に繋ぐときはナットをクルクルと回して取り付ける
・分配器とテレビやチューナーを繋ぐ同軸ケーブルは部屋をまたがって長くなるので配線を工夫する
・同軸ケーブルが人やペットの行動の妨げにならないよう部屋や廊下の隅に配置する
・部屋をまたがる際にドアの下や隙間を通す場合、隙間ケーブルなどの平べったいケーブルを選ぶといい
・ケーブルが廊下を通る場合、モールなどで隠す方法もある
・アンテナ専門業者へ依頼すると、各部屋にアンテナ端子を増設してから各部屋にテレビを設置する方法もある
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テレビのブースターの設置方法とは?
屋内型ブースター、屋外型ブースターそれぞれの設置方法を説明します。
屋内型ブースターは個人での設置が想定されており複雑な手順はありません。
屋外型ブースターは高所作業になる場合が多いので個人で設置すると危険が伴います。
アンテナ専門業者へ頼ると安心です。
1:屋内型ブースターの設置方法
(画像引用:日本アンテナ)
屋内型ブースターは設置が簡単で、基本的にブースターに備わっているケーブルとコンセントをそれぞれテレビと電源に繋げるだけです。
詳細は各製品の説明書をご覧くださいませ。
一般的な取付け手順をご紹介します。
手順①テレビとブースターを接続する
・テレビの背面についたアンテナケーブルをブースターの出力端子に接続する
手順②壁面のアンテナ端子に接続する
・別売りのアンテナケーブルをブースターの入力端子に接続する
・反対側の端子は壁面のアンテナ端子に接続する
手順③(レコーダーがある場合のみ)レコーダーとブースターを接続する
・別売りのアンテナケーブルをブースターの“出力2”と書かれた端子に接続する
・反対側の端子はレコーダーに繋ぐ
手順④ブースターのコンセントを繋ぐ
・ブースターに付属している電源供給用USBケーブルをACアダプタに繋ぎコンセントに差し込む
2:屋外型ブースターの設置方法
一般的な取付け手順ですので、詳細は各製品の説明書をご覧くださいませ。
前述したように屋外型ブースターは高所作業を含み危険ですので無理せずアンテナ専門業者へ依頼することをおすすめします。
手順①ブースターの増幅部をアンテナマストに取り付ける
・アンテナ本体とブースターの増幅部は1m以上離す
・分配器などノイズの原因となる機器の近くに設置しない
手順②ブースターの電源部を取り付ける
・電源部は接触不良が起きやすいので人やペットが誤って触らない場所を選ぶ
・テレビの裏や屋根裏などに設置することが多い
手順③同軸ケーブルに防水キャップやコネクターを取り付ける
・同軸ケーブルにF型接栓などのプラグがついていなければ併せて取り付ける
手順④ブースターに同軸ケーブルを接続する
・増幅部の下にある入力端子と出力端子それぞれに同軸ケーブルを繋ぐ
・増幅部の出力端子と繋いだケーブルの反対側は屋内の電源部に繋ぐ
・電源部から伸びたケーブルはコンセントに差し込む
手順⑤ブースターの利得を調整する
・増幅部のカバー下にある利得のつまみを回してテレビ映りを確認する
ブースターは自分で取り付けられる?
ブースターの設置工事を業者にお願いした場合には費用がかかりますので、ご自分で取り付けられるのではと考えられる方も多いです。
ブースターが屋内用であるか屋外用であるかによっても異なりますが、基本的には業者に依頼することをおすすめします。
まず、屋外にブースターを設置する場合には基本的には高所作業になりますので、素人の設置は絶対におすすめできません。
慣れない高所での作業は、身の危険が生じる可能性があります。
室内用のブースターであっても、ブースターの種類の選定や設置が思った以上に大変だったというお声は多いです。
実際にご自分で設置してみて、余計に映りが悪くなったというケースもあります。
ブースターは信号強度が強ければ強いほどいいという単純なものではなく、強すぎてもテレビの視聴が出来なくなりますので、経験と知識のあるプロに依頼することが賢明です。
ブースターの費用相場について
家庭用ブースターを個人で購入した場合の費用相場をご紹介します。
DXアンテナとマスプロ電工の2社の製品を取り上げます。
2社とも製品の性能によって費用に差が生じています。
製品の性能 | DXアンテナ | マスプロ電工 |
UHFブースター | 42,636円(税込) | 19,030円(税込)~ |
CS/BS-IFブースター | 42,636円(税込) | 24,860円(税込)~ |
CS/BS-IF・UHFブースター | 54,120円(税込) | 54,560円(税込) |
(参考:DXアンテナ)
(参考:マスプロ電工)
おすすめのブースター5選
こちらでは、おすすめのブースターを5つの商品を紹介します。
各商品の性能や規格、特徴などについても詳しく紹介していきます。
これからテレビアンテナの設置を検討されている方、すでにアンテナを設置しているが映りがわるくブースターの設置を検討されている方、是非参考になさってください。
メーカー:DXアンテナ
型番:B0982JYGLJ
規格:外形寸法9.7×7.0×3.5cm
設置場所:屋内、屋外
特徴:
地デジ増幅専用モデルで、重量は220gとコンパクトです。
増幅部は水平マストにも装着可能、使用可能温度の範囲は−20〜50℃と幅広いため、屋外設置時にも最適です。
スイッチで入力レベルを簡単に切り替えられ点も魅力の一つです。
おすすめ②DXアンテナ/CS/BS-IF・UHFデュアルブースター
メーカー:DXアンテナ
型番:B0982MB5GQ
規格:3.5 x 7 x 9.7 cm
設置場所:屋内、屋外
特徴:
こちらは、地デジに加え4K・8Kにも対応しているモデルです。
入力調整スイッチ・利得調整ボリュームを搭載し、微細な調整も行えます。
電源部に同軸ケーブルと連携されたパイロットランプが装備されており、増幅部に異常が発生した際に確認できることも魅力の一つです。
おすすめ③DXアンテナ/CS/BS・UHFブースター(30dB形)(卓上用)
メーカー:DXアンテナ
型番:TCU30S(B)
規格:12.4×8.2×2.9cm
設置場所:卓上
特徴:
新4K8K衛星放送(3224MHz)対応の、CS/BS-IF、UHFを増幅する卓上用ブースターです。
Wi-Fiや携帯電話など電波の影響を受けにくく与えにくい、高シールド構造の製品です。
利得調整VR付き、スタンド付で縦置きにも対応しています。
スタンドを取り外せば壁面への取り付けが可能です。
市販の結束バンドを使用して柱や網ラックにネジ止めなしに取り付けられます。
おすすめ④マスプロ電工/UHF・BS・CSテレビ・レコーダー ブースター 30dB型
メーカー:マスプロ電工
型番:UBCTRW30-P
規格:13.7 x 8.9 x 3.1 cm
設置場所:屋内
特徴:
設置場所に応じて縦置き・横置き・壁掛けと置き方を変えられます。
調節つまみが機器前面についており、簡単に利得のレベルを調整できます。
出力端子が2つ実装されているので、分配器を使用せずにテレビとレコーダーに直接つなげられる点も魅力の一つです。
おすすめ⑤日本アンテナ 4K8K対応 卓上型ブースター 地デジ/BS・110°CS増幅 22dB型 1出力
メーカー:日本アンテナ
型番:NAVBC22SUE-BP
規格:3.3 x 9 x 5 cm 100 g
設置場所:屋内
特徴:タテ置き、ヨコ置きどちらも設置でき、手のひらサイズなので、テレビ裏にスッキリ収まります。
ブースターの効果の測定方法と注意点
アンテナでもテレビでも常に弱いノイズが発生しています。
ノイズといっても実際の音声ではありません。
電子工学上のノイズであり「電気信号のランダムな動き」のことです。
放送の電波が強ければノイズはかき消されます。
つまりブースターの効果によってノイズ指数を低くすることができます。
一般の人がブースターの効果を確認する方法として「テレビが映るかどうか」を見るだけでも十分です。
ブースターの設置前に視聴できなかった地デジ放送が視聴できるようになったらブースターの効果と考えられます。
ブースターを正しく接続できているのにテレビの映りに問題がある場合は、電波が強くなりすぎている可能性を疑いましょう。
デジタル放送にはアナログ放送のような画面の乱れがありません。
代わりに電波の強さが一定のレベルを下回るとテレビが映らなくなります。
ブースターを使うときには電波を強くしすぎないように注意しましょう。
強すぎる電波はひずんでしまい、逆に視聴がしにくくなるからです。
ブースターの調整機能について
ブースターの調整機能について、ここでは
①利得調整
②アッテネーター調整
③チルト
についてご説明します。
①利得調整
使用目的:ブースターが増幅するテレビ信号のレベルを調整したいとき
使用する状況:テレビなどの機器に届く電波のレベルが低いときまたは高すぎるときなど
使用効果:テレビ信号を増幅して必要なレベルにする
備考:信号の大きさはdBという単位で表され数値が大きくなるほど電波をより強く補強できる
②アッテネーター調整
使用目的:テレビ信号を一定のレベルへ減衰させたいとき
使用する状況:ブースターの入力レベルが強すぎるときなど
使用効果:規定値を超える入力レベルをフラットに減衰させる
備考:定格出力とはブースターから出力する電波が適正なレベルであること
③チルト
使用目的:各チャンネルのレベルを平均化したいとき
使用する状況:ブースターの定格出力の値を超えているためにテレビ映像にノイズが入っているときなど
使用効果:周波数の帯域が高いチャンネルと低いチャンネルのレベル差を均等にして同じようなレベルで出力させる
備考:テレビの電波は周波数の帯域が高いほどレベルの落ち方が激しい
ー関連記事ー
☞【利得ってなに?アンテナ選びで知っておきたい基礎知識とは!】
増幅器の調整目安一覧
利得調整の推奨値についてご説明します。
地域一帯で受信できる地デジ電波の強度によって電波レベルが異なり、電波レベルによって電界地域が分けられます。
電界地域によって利得調整の推奨値も異なるため、まずはご自宅の電界地域を確認しましょう。
おおよその電界地域は最寄りの電波塔・中継基地からの距離によって把握できます。
詳細については当該項目の最下にある「参考記事」をご覧くださいませ。
~強電界地域(80db以上)~
利得切替を30dB以上にして利得25dBにする
信号の減衰:小
分配数が少ない場合、伝送距離が短い場合は、入力レベル調整スイッチを−10にして利得25dBにする
~中電界地域(60dBから80db未満)~
利得切替を30dB以上にして利得35dBにする
信号の減衰:大
分配数が多い場合、伝送距離が長い場合は、入力レベル調整スイッチを0dBにして利得35dBにする
~弱電界地域(60dB未満)~
利得切替を40dB以上にして利得45dBにする
高い周波数の電波:弱
アンテナからブースターまでのケーブルが長くなったとき、高い周波数の電波が弱くなったときは、入力レベル調整スイッチを8Ø4にしてチルト8dBにする
―関連記事―
☞【地デジの電界強度について解説!強電界地域・弱電界地域についてやアンテナの選び方について解説】
ブースターの設置でよくあるトラブル一覧
ブースターを正しく設置しても期待通りの効果を得られないケースがあります。
ここでは
トラブル①テレビが映らないまま
トラブル②テレビの映りが悪いまま
トラブル③ブースターが異常発振する
の3ケースをご説明します。
改善策にも少し触れますが基本的には専門業者へ相談することをおすすめします。
トラブル①テレビが映らないまま
テレビが映らずブースターを正しく設置しても全く改善しない場合、他に原因があるかも知れません。
テレビの故障・接触不良、アンテナの受信不良、あるいはそもそも受信電波が微弱の可能性などが考えられます。
テレビを複数台所有していて一台のテレビだけ映りに問題があるとき、該当テレビの故障や接触不良などが疑われます。
アンテナに問題があるとき、高性能のアンテナに交換したり設置場所を移動したりすることで改善するかも知れません。
トラブル②テレビの映りが悪いまま
テレビの映りが安定せずブースターを正しく設置しても改善しない場合、テレビの設定画面からアンテナレベルを確認しましょう。
ブースターの設置前後でアンテナレベルが変わらないとき、受信電波の品質に問題があるのかも知れません。
アンテナレベルは電波の強弱ではなく品質の度合いを表しています。
ブースターは品質を改善することはできません。
電波の品質を改善したいときはアンテナを交換したりアンテナの設置場所を移したりすることなどを検討しましょう。
トラブル③ブースターが異常発振する
ブースターの異常発振とは、受信ブースターの利得調整を過大に設定したり、余分なケーブルを引き回したりして、ブースターで増幅された出力電波が同じ受信ブースターの入力側に回り込んで異常発振を起こす現象です。
ブースター発振が生じるとブースターが動作し続け、増大した電波が妨害電波になります。
まずはブースターを正しく設置することが大切です。
他に不適切なケーブルや余分なケーブルの引き回しがないか点検をして、該当する事由があれば適切に処理しましょう。
業者に取り付けを依頼する場合の費用
弊社みずほアンテナのサービス料金をご紹介します。
業者によって料金が異なりますし、他の工事、アンテナ設置や交換などとあわせて依頼することでお得になる場合もあります。
ブースターは高所に設置することが多く危険性から個人での設置はおすすめできません。
また設置できても正しく機能しないこともあり、アンテナ専門業者への依頼が安心です。
~ブースター単品の設置工事のケース~
ブースター設置 税込22,000円~
→地デジアンテナの電波を増幅する機器
混合ブースター設置 税込27,500円~
→地デジアンテナとBS・CSアンテナからの2本の線を1本に混合する役割と電波を増強する2つの役割を担う機器
(参考:みずほアンテナ)
ブースターの必要性やトラブルの相談受付中!
みずほアンテナはアンテナの新規工事だけでなく修理や交換などの工事も得意としています。
修理や交換工事では、当初の設置が他社の請けた工事でも喜んでお受けします。
また365日年中無休で工事を承っています。
突然の視聴トラブルにも即日で対応することもでき、緊急時にも安心してご利用いただくことができます。
テレビ映りが悪いとき、ご自身で判断してブースターを購入し設置しても期待通りの結果が得られないこともあります。
ブースター以外に原因があった場合、手間や費用が無駄になってしまう可能性もあります。
ブースターの必要・不要の判断も含めてぜひアンテナのプロであるみずほアンテナへお任せくださいませ。
ー関連記事ー
☞【新築にアンテナはいらない?イマドキのテレビ視聴方法を紹介】
まとめ
以上、テレビのブースターの選び方や設置方法などを説明しました。
ブースターやその必要性について調べている方の中にはテレビ映りが安定せず困っている方もいらっしゃるかと思います。
テレビ映りに問題がある場合、原因解明を含めてアンテナ専門業者へ頼ることをおすすめします。
原因は一つではなく複合的の可能性もありますし、場合によってはアンテナのある高所に登る必要もあり、プロに任せたほうが安心です。
ただしアンテナ専門業者だからどこでもいい訳ではありません。
必ず3、4社に問い合わせて比較して、納得のいく業者へ依頼しましょう。
ーブースターに関する記事ー
☞【テレビのアンテナ・ブースターの寿命と故障の対処法!よくある故障箇所と交換の目安】
☞【テレビが突然映らない!原因や自分で今すぐできる対処法を紹介デザインアンテナ交換工事】