災害大国とされる日本で、インターネット回線の災害対策はできるのでしょうか。
2024年に発生した能登半島地震の際に避難所で活躍し、大きな注目を浴びたスターリンクですが、自宅での使用や自治体での利用の需要が高まっています。
ネット社会である今、インターネットが利用できないと連絡手段が絶たれる方も多いでしょう。
そこで活躍が期待されている「スターリンク」について、災害時にどう活用できるのか、深堀りします。
災害対策におすすめしたいスターリンクアンテナ
災害大国ともいわれる日本で今注目のインターネットサービス、スターリンク。
スターリンクは従来では回線を引くことのできない離島や山間部など、どこでも利用できるのが特徴です。
また、スポーツイベントやコンサートなど多くの人が集まり一時的に通信が輻輳するような場所でも活躍すると言われています。
なぜならスターリンクアンテナは衛星に打ち上げられた低軌道通信衛星と繋がっているためです。
光回線やその他インターネット回線は、災害時に利用できなくなる恐れがあります。
電線や地盤が崩壊してしまうと復旧に時間がかかる光回線などは災害時には使用できなくなると考えていいでしょう。
実際に2011年に起きた東日本大震災では広範囲でネットワーク障害が起き、2024年の能登半島地震でも多くの地域でネットが使用できない事態となりました。
日本でスターリンクの業務提供を行っているKDDI(au)が能登半島地震のときも避難所などにスターリンクアンテナが無償提供し、フリーWi-Fiとしてau契約者以外でも利用できるとして被災地に支援されました。
■スペースXとKDDI 能登半島の避難所にStarlink 350台を無償提供
令和6年能登半島地震に伴う被災地支援として、石川県と総務省の要請と協力に基づき、避難所へ衛星ブロードバンド Starlinkを無償提供いたします。
フリーWi-Fiとしてau契約者以外もご利用いただけます。本日1/7… pic.twitter.com/CLGNyS10of
— KDDI公式 (@official_kddi) January 7, 2024
しかし、災害時には支援物資を届けるにしても、渋滞や地盤沈下が予想され時間がかかります。
救援物資が届くまでインターネットが使用できないことも予想されるので、個人や企業などであらかじめスターリンクを導入する動きが始まっています。
今後のスターリンクですが、携帯電話が圏外のエリアでスターリンクの衛星と手持ちのスマートフォンを直接接続し、低速ながらもメッセージの送受信などを行えるサービスが計画されています。
日本ではKDDI(au)が2024年内の提供開始を目指しており、開始すれば災害時だけでなく、山や海での遭難時に役立つことが期待されます。
スターリンクの利用方法
そんなスターリンクですが、普段使い用に設置する家庭も続々と増えています。
弊社でも、「電波が悪くインターネットがつながらない」とお困りのお客様からスターリンクアンテナの設置を依頼されることが増え、スターリンクの需要が高まっていると感じています。
ここでは詳しくスターリンクの利用方法を紹介します。
アンテナを準備する
スターリンクアンテナは自分で手配する必要があります。
日本では現在、スターリンク公式サイトで購入する方法と、コストコで購入する方法の2つの手段があります。
どちらで購入しても本体価格に変わりはありませんが、コストコオンラインでは 通信費が2か月分無料になるクレジットが付いて販売されています。(2024年6月6日時点)
コストコオンライン-スターリンクアンテナ購入ページ
コストコオンラインは会員でないと購入資格がないので、会員でない方は公式サイトから購入しましょう。
スターリンクの公式ホームページでは、購入するタイプ(個人用、仕事用など)を選び、あとは住所などを入力して注文へ進みます。
アンテナを設置する
スターリンクを購入すると以下のセットが届きます。
まずはスターリンクアンテナの設置から始めます。
スターリンクアンテナは空への視界が開けた空間に設置可能となっています。
アンテナ本体が方向調整のために自動で回転するため、周囲に接触するものがない、余裕のある場所でなくてはなりません。
個人向けの「STARLINK 標準」のスターリンクアンテナの本体は、角型モデルでおおよそ51✕30cm、高さ最大54cm、重さ4.2kgあります。
周囲が広く開けている平地であれば、地上に設置して問題はありませんが、安定した通信環境にするにはしっかり固定する必要があります。
住宅密集地や山林付近であれば、屋根の上など高所に設置することが最適でしょう。
周囲の建物や山林が影響しない空間が求められるためです。
高所作業が伴うときは無理してご自身で設置せずに業者へ依頼するようにしましょう。
専用アプリで接続設定を行う
スターリンクキットはアンテナ本体、Wi-Fiルーター、電源コード、接続ケーブルなど全ての機器がケーブルで繋がれた状態で届きます。
アンテナ本体を適切な場所に設置しルーターの電源を入れたら、専用アプリで設定を行います。
専用アプリはスターリンクアンテナの購入に関わらず利用でき、購入前でも利用可能地域などの確認ができます。
専用アプリはiOS版、Android版とそれぞれに対応しています。
インストールしたら、アプリの指示に従い、スマホのカメラ機能を使ってアンテナ設置場所で上空を360°撮影します。
設置場所の上空に衛星(スターリンク)が十分にあるか確認するためです。
手動による設定はここまでで、あとはスターリンクアンテナが自動で方向調整を行います。
30分程度経てばオンラインになっており利用を開始できます。
アプリではダウンロードの速度などもリアルタイムで確認できます。
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☞【スターリンクを日本で利用するには?設置方法や料金、使い方を解説】
今後は自治体での活用も視野に
地球上どこでも利用できるとされるスターリンクですが、災害大国である日本では自治体などでの活用も期待されています。
2023年8月には「令和5年度東京都・足立区合同帰宅困難者対策訓練」が行われました。
この訓練では衛星通信サービス「Starlink Business」(スターリンクビジネス)を非常時の通信インフラとして活用する検証が行われました。
”災害時に想定される通信途絶にどう対応する”が課題となっていますが、それを解決するのがスターリンクであると期待されているのです。
スターリンクアンテナの設置はみずほにおまかせ!
スターリンクアンテナは空がひらけた場所なら設置可能となっていますが、実際には衛星と接続するため、安定して通信できる場所にしっかりと固定させる必要があります。
室内はもちろん、ただベランダに置くだけでは安定した回線を確保できません。
みずほアンテナではこれまで多くのご家庭でスターリンクアンテナの設置を行ってきました。
現在スターリンクアンテナ(本体)は公式サイトかコストコでしか取り扱いがないため、弊社では設置のみを承っております。
個人利用の方だけでなく、自治体や企業様のご依頼も受け付けておりますので、
「設置や接続が難しい」とお困りの方や
「スターリンクの導入を考えている」という方はお気軽にお問い合わせください。
みずほアンテナによるスターリンクアンテナの設置を紹介
岡山県加賀郡 陸屋根上設置 |
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陸屋根と呼ばれる、フラットな屋根上にスターリンクアンテナを取り付けた様子です。 太陽光パネルがあるご邸宅でしたが、スペースも十分にあったため発電の邪魔にならない箇所に屋根馬を使用して設置しています。 右下の画像は支線と呼ばれる個所で、アンテナが倒れることがないようしっかりと固定しています。職人の技ならではです。 |
山口県美祢市 破風板設置 |
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破風板と呼ばれる個所に金具を設置しスターリンクアンテナを設置しました。 破風板設置や屋根上設置など高さのある場所に設置する場合、危険な作業が伴うのでご自身でやるのはおすすめしません。 また、ケーブルを家の中に入線する作業が、経験がないと難しいです。 みずほアンテナでは、宅内のルーターへの接続も行っています。 |
災害時の備えにスターリンクアンテナ
災害大国である日本では、災害時を想定した対策が常日頃行われています。
能登半島地震では災害時に活躍し、大きな注目を浴びたスターリンクですが、自宅での使用や自治体での利用の需要が高まってきました。
みずほアンテナでは、多くのご家庭や様々な業種の企業さまから設置のご依頼いただいております。
教育機関やパーキングエリアなど、多岐にわたる施設のご担当者様からお問い合わせをいただき、設置に携わってきました。
そんなみずほアンテナだからこそ、設備や環境に合った設置を行っているので、スターリンクアンテナの設置をご希望・ご検討中の方は是非ご相談ください。
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